精神障害と戦うのをやめた日 松丸和弘さん(NPO法人まつぼっくり代表) 2019.10.23 すいごごカフェ@就労移行支援「世一緒」

DSCN8301.JPG  NPO法人まつぼっくりの会の代表。現在61歳。精神障害者の当事者として活動している。世一緒でも、前にしらこばとの花壇の整備などをやった。あるNPO準備会のスタッフをやった時、進捗具合が悪く、それならNPOを自分で作ってみようと思いまつぼっくりを作った。

私の生い立ちと青春

自分がおかしいなと思ったのは小学5、6年だが、あんまり記憶はない。20歳の時に日本医科大学で診察を受けた。今の病名は強迫性障害で、最近になって双極性障害という病名も増えた。

割と勉強はできた方で、大学もストレート。サラリーマンならなんとかなるだろうと思ったが、すごく難しい。よくあれだけ勤め上げたなと思う。自分の感情をコントロールしながらやっていける人々は尊敬に値するが、私は上意下達にものを言われるとむかつく。

病気になっていたが、誰も理解してくれず、ポテンシャルが崩れるとモチベーションが上がらない。障害者雇用なんてなかったし、会社に行くのが憂鬱だった。その後中途採用で入ったところが、一流企業ではなく、上からは気に入られたが、いじめもあった。2社で計5年サラリーマンをやったが、うまくいかずやめた。
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バブリーな時代とその果てに

その後、バブル最終期に起業した。天井とかの下地を作る職人さんを軽鉄屋さん、軽天ボード職人という。石膏ボードなどを使う。その工事を請け負う会社を作り自分が取締役になって、一時期は非常勤を入れて120人使っていた。

有頂天になり青年会議所に入会。遊びが大好きな金持ちと友達になり、会合とか遊びに引っ張られて現場にも出ず、会社の統制もとれなくなった。10年余りでアルコールと精神的なキャパを超えて、会社を倒産させてしまった。

なんで自分がこんな病気で無駄な時間を費やして、他人の3倍くらい疲れながらやらなきゃいけないのかと、親を怨む気持ちと、病気さえなければという気持ちが50過ぎまで残っていた。

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病気が始まり連鎖してゆく

蛇口はしめた?電気は消した?のすべてにおける確認癖が、自分の病気の入り口だと思っている。手を洗う、風呂に入るなど日常的な所作は自分の中でルーティンがあって、ちょっとでもずれると気持ち悪くてしょうがない。自分の中で分析が始まり、自分が納得するまで20~30分繰り返す。1日24時間あってもぜんぜん足りず、たいしたことができず非常に疲れる。

生家では父がアルコール依存症で、酒を飲まないと手がふるえていた。レストランをやっていたがお皿も運べなくなり、40歳前で隠居してしまった。僕は一日中お酒を飲んでいる父を責めた。父は、昔はこうだったと過去の栄光にすがって、僕たちはむなしい泣き言を毎日聞かされた。食事する部屋が1つだったので、みんな精神的におかしくなった。

もっと後になってからはパーキンソン病の母の面倒を見るため、母と同居した。

母が亡くなったあと、世帯の生活保護も消えて、日払いのアルバイトじゃないと生活していけなかったが、僕にはできなかった。見せしめでみんなの前に出されたこともあるし、帰らされたこともある。

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病気を友として共に生きて行ける世界を
 その時はまだ復活できるのではという思いがあったが、20年以内にあなたが完治するような薬とか治療法は絶対にできませんと担当の医師にはっきり言われた。自分の好きなことを見つけて病気と仲良く共生する道を選んだらどうかと言われ、それもありかと。完治に関しては時間切れでも、過去にすがるのはやめて自分の人生を楽しく生きようと思った。

 人が喜ぶ顔を見て自分が満足感を得るというところがあったので、人のために今の自分が何ができるか考えて、今の障害者問題とか世の中の理不尽さとか日本の矛盾、そういうのを徹底的に変えていくような事業をやっていきたいと思い始めた。最終的な目標は世界のあらゆる偏見をなくす、意識改革をしたいなと。

 最近早期療育がはやっているが、科学の進歩、医療の進歩があるからなんともいえないけど、いいとこだけ伸ばしていけばいいんじゃないかな、受け入れちゃいなさいと思う。

 精神科の薬についていえば、僕はピタッと合う薬はなかった。何千何万の組み合わせがあって、鬱の方なんかはそれが合うと一気に治ると言っているが、僕の周りは年々辛くなって、呂律も回らなくなったという人もいる。

 本当だったら脳で自然に調整するものなのに、薬で出させてるんだからどこかで副作用は出るんだと思う。
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