新型コロナを迎える社会―「かたきがなぜに慕わしい 」 2020.4.15すいごごカフェ・水谷淳子さんトーク「新型コロナ中間まとめ」より

DSCN9067.JPG
ロミオとジュリエットのように

ウィルスが体の中に入って来るっていうのは、受け手がいて、誘われて細胞の中に入ってくる。喉とか肺の細胞の中に、ACE2っていう酵素がいて、ウイルスに手を伸ばす。ACE2がウイルスを体の中に引き入れちゃう。誘導する力が人間に備わっている。ウィルスは高等生物とか恐竜がいた頃からいるのものじゃないかといわれていて、ずっと共存してきた。

図.jpg
深いつきあいだからこそ重い結果にも
 じゃあなぜ重症化するかというと、ACE2という酵素は血圧とか炎症とか免疫をコントロールするRASの働きを抑える酵素なんだけど、RASが勢いを持つと血圧が上がったり、免疫のコントロールが悪くなったり、炎症反応が上がったり、つまり老化の状態になる。RASを下げる働きをするのがACE2という酵素。そのACE2に導かれて、コロナウイルスの一部が細胞の中に入って増殖するわけ。暴力的に入ってくるんじゃなくて、引き込む働きというのが体の中にある。ウィルスとACE2というのが合体するので、ACE2の力が下がっちゃう。そうするとRASの動きが強くなって免疫が下がっちゃったりする。元々病気持ちの人とかは老化の状態なわけなんだけども、一挙に進むから、報道で言われている高齢者とかは重症化しやすいのは、そういう理由。
setsumei.jpg
ウィルス感染と生体防御
ウイルスが入ってくると潜伏期というのがあって、インフルエンザと比べて長い。感染して1週間目は無症状か、風邪の症状が出るか。2週間目くらいに、治る人と重症化する人のグループに分けられる。なぜかというと、免疫系が最初に入って来た時に自然免疫が働いて、どのウイルスが入って来ても広範囲で反応して体を守る。その後で入ってきたウィルスに対応した抗体が、これを獲得免疫というのだけれど、この抗体ができてくるのにだいたい2週間くらいかかる。うまくウイルスをやっつけることができた人はいい。ダメだった人は次の段階に進んで、重症化すると言われている。

検査制限で真の死亡率がわからない日本
うまくいく人達が結構多くて、8割。2割が重症化して、酸素吸入とかエクモ(血液と酸素を外に出して供給する医療機器)を使って治療する。死亡率は確定してないが、日本の報道を見てるとすごい高い。普段のインフルエンザの10倍くらい。コロナウイルスは今までも猛威をふるっていて、2002年にSARSコロナウイルス、2012年にはサウジアラビアでMERSコロナウイルスが流行した。それよりはちょっと弱いんじゃないかって今の時点では言われている。

死亡率は最初は高く出ることが多い。最終的に分母が増えるので、死亡率が下がって来る。日本の今のは分母がめちゃくちゃなんで全くわからない。ドイツ、韓国、中国はかなりきちんと検査して統計が出ている。日本はなんでこんななのか。検査が本当に少なく、検査希望しても95%くらいは拒否されている。患者さんが来て、怪しいと思っても検査の検体が出せない。
検査.jpg
信用できない日本の新型コロナ統計の背景
3月29日に、春日部保健所から手紙が来て、春日部っていうのは23万都市なんだけど、1日で検査できる枠が3人分しかないと。1週間で15人。検体をとってくれるところがないから手をあげてくれという手紙だった。だいたい検査をしてほしくて医者にかかっても、条件が厳しくて、開業医の方で出してもダメだと言われているから自宅で様子を見てくださいとなる。なんで検査数を絞っているのかというと、利権がすごい絡まっているんじゃないかと思う。たくさんのデータが集まると収拾がつかなくなるし、国立感染研究所にデータを絞りたくて、そうしてるんじゃないかってネット上でも言われているけど、そうなんだろうなと。大きな病院で検査するところが少しずつ増えてはいるけど。日本の統計は全く信用できない。
DSCN9073.JPG
もうかなりの人が感染しているのでは
ドイツでは最初、住民の5%くらいが感染してたんじゃないかと言われていた。抗体検査をしたら、15%くらい。最初思っていたより大勢の人が感染していて、あんまり症状を出さないで治っている。日本で騒いでいるけど、もうものすごい数の人が感染しているのではと思う。PCR検査というのは、喉とか鼻の粘膜に棒を突っ込んで、ウイルスの中の遺伝子を増幅させて、遺伝子が多いかどうかを見るんだけど、増幅させるのに時間がかかる。日本のシステムは保健所に持って行っても各々で検査をできるわけじゃないので、衛生研究所に持っていく。埼玉は吉見に衛生研究所があって、保健所で集めたものを吉見で検査するが、検査の結果を出すのに5,6時間かかる。結果が出るまでだいたい2日。ものすごい非効率的なことをやっている。実際かかって治ってる人はすごい多いんじゃないかと。
クラスター対策.jpg
クラスター対策~PCR検査に偏った専門家会議
もうひとつ、抗体検査というのは新聞だとかネット上にも出てきているんだけど、特定のコロナウイルスだけに反応する獲得免疫という値を調べて、うつっているのかうつってないのか、うつっても治っているのかがわかるのが抗体検査。それをやった方がいいんじゃないかって言われている。だけど、国の専門家会議と日本感染症学会っていうのがあるんだけど必ずしも意見が一致してはいない。専門家会議はクラスター、クラスターって言って追っかけている。感染症学会には、かなりの人に蔓延しているから、もうそんな時期じゃないという人もいる。専門家会議は、PCR検査だけしか言わない。それも衛生研究所だけでなく、他の民間の検査会社にできる能力はあるんだけど、ほとんど発注しない。ぼちぼち発注してはいるけど。

公衆衛生、疫学が衰退し先端医学が栄える現場
なんでそうなっているかというと、私が学生の時は公衆衛生や疫学の教室というか、学科があった。それが地味だし儲からないからだんだんなくなってきた。今はかろうじて大学院にちょこっと残っているくらいで、公衆衛生の教室を持っているところがない。感染症研究所は、病気の広がりとか情報を研究するところの疫学とか公衆衛生の部門がなくなっている。先端医学、ワクチンを作ったり、薬を作ったり、そっちの方の勢力がものすごい強くなってて、保健所も17年くらい前と比べて半分くらいになっている。保健所もそうだし、地方の衛生研究所もどんどん小さくなっていて、予算も3割くらい減っている。こういう時に現状はどうなのかとか、きちんと国の方針としてどうすればいいのかっていうのがちゃんと発信できないようになっちゃっている。遺伝子工学とかワクチンの開発の研究が儲かるということで。地味なところというのは陽がささなくなって。さいたま市の保健所長が検査を絞っていると叩かれていたけど、私はすごい大変だろうなと思う。
IMG_6490.jpg
医療崩壊防止、感染終息の見込みを抗体検査で
 だんだん日本の中でも抗体検査のキットができたと言われて売り出しているけど、なかなかそれも手に入らない。私は開業医だから、自分がうつっているかどうか、ひょっとしたらもうなっちゃっててとかそういうのを知りたいからずいぶん早くから申し込んだけど手に入らない。国の方針としては抗体検査はやらないんだけど、医療関係者はものすごい欲しがっている。医療関係者は自分達がうつる可能性があるかとか、もううつっていて抗体ができてるんじゃないかとか、自分の状態をものすごい知りたいから医療関係者がガーっと申し込んでいるから手に入らない。だからぐちゃぐちゃになっている。政府は1カ月後までに収束とか言っているけど、感染症というのはそんなに簡単に終わるわけがないわけで。ピークがどこにあるかというのをコントロールしないと。医療崩壊と言われているけど、1カ月我慢すればウイルスがなくなるわけじゃない。なだらかにかかるようにしているだけ。集団免疫にもっていこうと。最初どこの国もそうだった。イギリスとか。

基本再生産指数.jpg

せん滅でなく共生を探る
日本では集団免疫という言葉は大っぴらには全く出てこなくて。感染症というのはそもそもうつっていくわけ。ウイルスはものすごく強くなって、人を全滅するような力は持ちたくない。人間自体が死んじゃうと、ウイルスが生きていく術がなくなっちゃうから。かなりの人はかかっちゃうけど、細々とウイルスが生きてく。どのくらいの人がかかるとあんまり問題なくなるかというと、60~70%の人が感染を起こすと大丈夫になるかと。コロナの場合はだいたい1人が3人にうつすといわれていて、10人がいると30人にうつす。2週間の間に40人。どんどん増えていくっていうのが感染症。3人のうち2人がもうかかっていれば、1人がかかってもうつさない。そうするとそれが66%~70%の人がみんなうつっちゃえばあんまり死ななくなる。1人がうつすのが1以下になればもううつらないという計算で。だいたいどこの国もそれを目指している。
1200px-Herd_immunity_svg.png

一度になると大変なんで、かかった人も医療者側も死ぬし、でもなだらかになればってことでやっている。ウイルスをせん滅しようなんてのは、そんなことありえないわけで。みんなが好きな「共生」をしていこうってこと。ウイルス自体は人間を殺そうとは思ってない。体のなかにウイルスっていっぱいいて、病気になる人はいるけど。そういうウイルスを持っていても発病する人もいるししない人も。たとえば水疱瘡のウイルスは、かかったら神経の根元にずっといて、年をとって免疫力が下がったりすると、帯状疱疹になることもある。体の中にはいつもウイルスがいて共生している。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 11

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス ナイス ナイス ナイス

この記事へのコメント