共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 障害者が共に働くときー就労準備性ピラミッド、そして持続可能性とは何か

<<   作成日時 : 2015/08/01 23:39   >>

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第51回 共に働くまちを拓くべんきょう会 を開催した。「越谷市障害者就労支援センター ---やってきたこと、残されたこと」というタイトルで、「就職活動真っ盛り」と語る同センター前所長・沖山稚子さんを話し手に迎えた。
 話の最後に沖山さんが「働く」について思いを述べた。
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 「やはり、一番素敵なデイケア活動であると再確認している。規則的に外へ出て、外気にあたり、集団に加わり、他者と意思交換して、苦手なタイプの方々とも問題解決のためには我慢して付き合うすべも身につけた。仕事をとおして、何らかの役割を担えているのかな、お客さんのためになったかなという実感を得ることができた。
 別の言い方をすると、それは、次のようなことだ。時々は、『問題が悪化するのを食い止めることができたり』ごく稀にだが、『問題を解決することに一役買えたり』『お客さんに喜ばれたり』そして、多分しばしば、『お客さんが自分自身で動き始めることのきっかけ』を作ることができたのではないか。」
 

大事なことは、この「お客さん」とはあらゆる障害者や家族を含むが、併せて障害のない同僚や事業主等も「お客さん」なのだということ。
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 質疑応答の中で沖山さんは「就労準備性ピラミッド」を金科玉条とする支援のありかたを批判し、病気が治ってなくても、朝起きられなくても、就職はできると強調した。たしかに私自身の知り合いでも、常に独語しているが、常に機械の騒音が大きい工場で働いていたり、夜の倉庫作業は行けて同僚と話し込んだりしているが家に帰ると家族と顔を合わせただけで暴れる人もいる。
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 また、沖山さんは、この就労準備性ピラミッドをベースにした「就労系福祉サービスピラミッド」とでもいうべき総合支援法のサービスの階層構造についても、信じちゃだめですよと言った。

 世一緒スタッフの中にも、ハローワークで接客業に就きたいと相談したら、まず訓練の為に就労継続Aへと勧められ、入所にあたって発作のことを詳しく説明したにもかかわらず、体調が悪いから休みたいと電話すると1時間休んでから出て来れないかと言われ、あげくのはては診断書を出せと言われ退所した人がいる。その前にスーパーでアルバイトしていた時には、同僚が持ち場を代ってくれたり、休んでいいよと言ってくれたりしたのにと。

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 これらの事例から言えることは、地域にはいろいろな人がいて、いろいろな職場があるという単純なことだ。その中に入ってゆくことにより、同僚や事業主も迷いながら試行錯誤してゆく。たしかに企業は利潤を目的として成り立っているが、逆にだからこそ従業員として受け入れた人が働き続けられる工夫を、まずは現場で考えたりもする。

 それに対して、就労準備性ピラミッドは、病気の管理や生活リズムができてなければ就労はできないという発想に立っている。そして障害福祉サービスは、そのピラミッドを支えるという位置付けで運営されている。だから毎日来いと言い、来させないと施設の報酬が減らされるしくみになっている。でも実際に、妄想があり、自宅では料理も掃除もできてないのに、週数時間障害児の移動支援や身体介護に入っている人もいる。就労継続B型に通うのも無理だが、短時間であれ一般就労はできている。

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 だからこそ、障害のある「お客さん」だけでなく、障害のない同僚や事業主といった「お客さん」が大事だ。そういうお客さんを就労をめざす本人とともに開拓したのが、沖山さんをリーダーに迎えたここ3年の越谷市障害者就労支援センターだった。

 この3年について沖山さんはこう語る。「障害種類や手帳のある無しに関わらず、雇用率に算定されるとかされないとかも関係なく、働く場を探す支援ができた。意欲に満ちたよい同僚に出会えた。」


 この「意欲に満ちたよい同僚」とはどんな人たちだったか。ほとんどが高齢者で、退職後の第2の人生か、障害のある子どもの介護を抱えた親、そして障害当事者だ。ここで生計を立てるのではないからこそ、ほとんどが非常勤で臨
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機応変の働きができ、人生経験や職業経験を活かして本人とつきあいつつ職場に入って行けた。
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 市は高齢者ばかりで先の見通しがないと思って受託を切ったのかもしれないし、実績は上がっているが行政への注文も多すぎると敬遠したのかもしれない。
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しかし、今後、生活困窮者やひきこもりの若者をはじめ、さまざまな階層への就労支援を考える時に、このような形で高齢者や障害者等就労困難な当事者、その家族等に地域で働いてもらうことは、地域社会の持続可能性という点でも貴重なモデルとなりうるのではないか。
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 そんなことを考えるきっかけを与えてくれたべんきょう会だった。

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