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zoom RSS 異なる他者との協働が 世界をひらく ― 優先調達・共同受注・中間的就労を貫くもの

<<   作成日時 : 2015/07/24 11:29   >>

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 NPO法人障害者の職場参加をすすめる会2015年度定期総会記念シンポジウムの報告。職場参加ニュースNO.44に収載した。

 ブログにアップするにあたって、<異なる他者との協働が 世界をひらく ― 優先調達・共同受注・中間的就労を貫くもの>とタイトルを付けた。優先調達・共同受注・中間的就労と並べると、障害福祉サービスの就労系事業所や生活困窮者支援に限られたテーマのように思われかねない。

 しかしながら、八王子市の古川課長をはじめ、パネリストの面々が語っているのは、まさに「異なる他者との協働が 世界をひらく」ということ。
 ○○支援、△△支援…といったさまざまな支援施策が新設、分立され、支援の名によって人々がいつの間にか互いに分け隔てられ、一人ひとりがいつのまにか戻ることのできない狭い道を進まされている現在の閉塞状況をたんねんに解きほぐしてゆく作業として、優先調達・共同受注・中間的就労等を位置づけなおすことについてだった。

 以下、職場参加ニュースNO.44の原稿。ブログにアップするにあたり、写真をたっぷり挿入した。

「優先調達、共同受注、中間的就労―共に働く地域をいかにきりひらくか」

基調講演  八王子市障害福祉課長・古川由美子さん
 
 定期総会の後、記念シンポジウムを行いました。基調講演は八王子市の古川課長。当会としては、越谷市が中核市に移行した直後に就労支援センターの受託が終ったこともあり、やはり中核市になった八王子の動きに大きな関心をもってお聴きしました。
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 八王子市は市就労・生活支援センターふらんに対して、昨年度、今年度と1名ずつ増員の予算をつけ、常勤9名、非常勤3名の態勢と聞き驚きました。庁内ワークシェアリングは最賃を支給しながら就労準備のための実習として行われていますが、市職員が一緒に働くことで誰にとってもわかりやすい仕事ができるようになるメリットも指摘されていました。

 優先調達については、当会が交流してきた八王子ワークセンターを共同窓口として、1億5千万。その大きな部分はワークセンターが運営するプラスチック中間処理工場(障害者30名雇用)です。今年度はさらに手作業による不燃物の分別をB型事業所に発注すると述べられました。
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 中核市になって権限が移譲されたことを活用するために、福祉施設の設備運営基準を作る中で、障害者雇用と障害者就労施設への仕事の発注を努力義務として盛り込んだそうです。差別禁止条例も施行し、共に暮らす街への意欲満々の報告でした。


パネリストからの問題提起

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 上尾市のグリーンドア施設長・竹村絵里さんは、同市の担当者と八王子市を見学したいと語りました。自立支援協議会の就労支援部会で、各施設共同で市から掃除の仕事をと話し合っていたところへ、県から特別支援学校の清掃の仕事が入り、広いので4事業所でシェアしたが、特別な掃除は前から働いていた人を継続雇用し、グリーンドアが代表事業所になりました。いつのまにかまとめ役とその他に分かれてしまいご苦労されているとのお話。
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 戸田わかくさ会の事務長・草柳努さんは、戸田市は八王子市の7分の1の人口だが、共同受注センターに4700万出しているのはえらいと言います。全市町村を見て、優先調達が進んでいる所はなんらかの形で共同受注の仕組みがあるところだが、言いだしっぺは最初苦労するものだと語ります。また、戸田市の場合共同受注に出してほしい仕事があっても障害者職員を採用してやらせてしまうこと、共同受注でがんばる障害者はやがて就労して出て行き重い人達が残るため、在宅の人達も含めて仕事を考えなければといったことを指摘していました。
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 ワーカーズコープ北関東事業本部エリアマネージャーの小野宏さんは、働く人自身が出資し、運営する団体として、地域で必要な仕事を立ち上げてきたと語ります。4月から施行された生活困窮者自立支援法の事業を全国60自治体で受託しているが、埼玉県内がいちばん多いそうです。清掃の仕事は長年の実績があり、草柳さんの話にあったように、障害者だけでなく生活困窮者ともつながりながら優先調達等を考えてゆければと語りました。
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 最後に当会の運営委員で、企業就労の経験も長い日吉孝子さんが、八王子市の取組みから学ぶべき所が多いことを述べました。また、草柳さんや小野さんの指摘を受けて、水上公園の花壇整備を例に挙げ、さまざまな障害者施設と在宅の障害者やひきこもっている人たちの組み合わせによるグループワークについて、最賃に満たない仕事でも社会で自分の仕事をするために出て行くんだというモチベーションを持てる枠組みについて語りました。

みんなでディスカッション
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 これらの発言を受けて、コーディネーターの朝日さんは、行政と福祉事業者との連携、施設・団体間の協力関係、多様な人々が分断されずつながる地域づくりという3点に関して深めてゆきたいと述べました。

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 古川さんは八王子市の優先調達方針を作った時に、市の全部の課の庶務担当職員を集めて、八王子ワークセンターの人に説明をしてもらったり、福祉施設の施設長会議の際にワークセンターと共同で売店の品を買い占めて見せながらPRしたそうです。PRに関する市の役割をおさえつつ、事業所同士の壁については市が立ち入れないのでそこは課題だと述べました。

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 草柳さんは共同受注している戸田のリサイクルフラワーセンターの立ち上げについて、市役所の中に知恵袋がいたと述べます。

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竹村さんは、行政とつながり市民とつながるためには、事業所の側が困りごとの範囲を広く持ち、せめて他の事業所の困りごとを一緒になって解決するくらいにならないといけないと語ります。草柳さんは、他の施設、隣の市の施設、ワーカーズコープやシルバーともつながれなければ、発注者に喜んでもらえる仕事はできないと指摘します。

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日吉さんは、越谷市の地域適応支援事業やグループワークの中で育った施設間の関係が、共同受注の枠組みの中でさらに顔が見える関係になってゆければと語ります。

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小野さんは、ワーカーズコープは地域まるごとのケアを行う福祉拠点をめざしていると語ります。
それを受けて竹村さんは、地域の困りごとを一緒になって解決してゆくような仕事をしていかないといけないと述べました。
草柳さんは、駅前清掃など、障害者もとにかく人前に出て行こうとしていると延べ、日吉さんも前へ出て行くことの大切さを確認しました。

これらの発言を受け、古川さんも私の理想は障害者がいろんなところで働く街づくりだと語りました。
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最後に、コメンテーターの越谷市障害福祉課副課長・角屋亮さんから、越谷市としては先進事例を聞けば聞くほど心が痛いが、市の事情に即した共同受注に向け毎月のように検討会を重ねていること、越谷市第4次障害者計画の策定年にもあたっているので、関係者の皆さんの意見を聞きながらしっかりやっていきたいと発言がありました。
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コーディネーターの朝日さんからは、今日のテーマが協同であり、それは関係者、周囲だけの協同ではなく、いかに異なるところと協同してゆくかが大切だという話があったこと、またそのためにはだれのための就労支援なのかという原則に立ち返ることが重要であること、そして行政あるいは他の異なる団体と協同してゆく上で小さな、具体的な「やること」から始めることが大切であるというまとめがありました。

たくさんの示唆を含んだパネルディスカッション参加者の皆さん、とりわけ遠くからおいでいただいた八王子市課長・古川さんに心から感謝いたします。

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