共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 入所施設から地域移行、地域生活支援から共生の地域へ踏み出す八ヶ岳名水会を訪ねて

<<   作成日時 : 2015/06/30 00:47   >>

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廃校になった北杜市立日野春小学校(写真)を借り受け、そこに多機能型事業所のはら樂団を開所するとともに、地域の諸団体とコラボして「日野春學舎構想」を立ち上げてきた、八ヶ岳名水会の活動の一端をかけ足で見させてもらった。

 廃校と聞いたとき、日野のNPO法人やまぼうしがやはり廃校になった平山台小学校で、元の給食設備を活かしたレストランや流木等を用いた工房を就労継続B型で開いており、他の教室で高齢者団体等が活動していたことを想い起した。

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 ワーカーズコープ主催の八ヶ岳名水会見学ツアーに便乗させてもらった。上の写真は、日野春小学校で、八ヶ岳名水会の仁田坂さんの説明を聞く職場参加をすすめる会及びわらじの会の面々。

 
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 便乗といっても、ワーカーズコープ関係者が10数人(上の写真)のところに、こちらのほうが20名余り。

車イスユーザーが4名いるため、リフトカー3台で出かけた。当方はこのくらいの人数でこれまでもあちこちへ見学交流デイツアーを行っているが、事前にしっかり参加者数をお伝えしてなかったため、昼食の用意や見学に際し、名水会にもワーカーズにも調整でご苦労をおかけしてしまった。すみません。
 
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上の画像は、八ヶ岳名水会の情報誌「虹いろ」NO11に載っていた「日野春學舎案内図」(旧日野春小学校の校舎内見取り図)。「元は学校であったことを遺産として、皆で学びあいお互いに成長発展できる場所にできたらという思いを込めて『學舎(ガクシャ)=まなびや』と付けさせていただきました。」と書かれている。

 
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 この日は私たちの到着が遅れ、時間が押していたため、1階で活動している多機能型事業所「のはら樂団」の活動だけを見学させて頂いた。

 上の写真は、アートの部屋。模造紙に迫力のある絵を水彩で描いていた青年(奥)。手前の女性は、この後、木琴を奏でていた。彼女は、音感がよく、ビートルズの曲を聴いただけで、楽器で演奏できると聞いたので、本人に確認した。彼女はうなずきつつ、「誰かが聴いていると、緊張してうまく弾けなくなっちゃう。」と言う。一人で奏でるのが好きなのだそうだ。
 その彼女は、白州のグループホーム大坊から車で来ているという。グループホームでは自分がいちばん若くて、81歳の入居者もいるとか。このアートの部屋は、パン作りなどの仕事の休み時間に来るのだそうだ。

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 その隣の部屋は食堂で、案内図には「みんなでごはんをたべるところ」とある。年配の男女がゆったりとしていた。やはり作業を終えて、昼食まで一休みしている感じ。男性と話した。長坂のグループホームから、やはり車で通ってきているという。「グループホームはどうですか?」 「………」 「住み心地いいですか?」 「………」 「まあまあですか?」 「まあまあだね」 ニヤッと笑う。 時間がなく、そんなやりとりしかできなかった。

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 廊下の壁に貼ってあった通所者一人一人の週間スケジュール。わらじの会のくらしセンターべしみや地域活動支援センターパタパタでもおなじみ。必ずしも固定した班行動や一斉行動ではなく、個々人がさまざまな活動に交差して関わるため、こうしたスケジュール表が必要になる。

  あわただしく1階だけ見て回った。ちなみに、案内図に書かれているように、2階は「地域との共有スペース」で、「地域の豊かな環境を守る」、「社会的包摂を目指して地域づくり」、「人の交流と学びの場」といったコンセプトでコラボレーションを模索している地域の諸団体が事務所や展示室、会議室等として拠点を構えているそうだ。

 校舎を出ようとしたら、出入り口に近い職員室でパンの販売が行われていたので、並んで購入。さきほど校舎のいちばん奥の食品加工室でもパンづくりの最中だったが、ここで売っていたのはなんと別団体のNPO法人八峰会の人々だった。「精神の作業所なんです。」と言っていた。八ヶ岳名水会の職員の一人が「おいしいですよ。百円で手頃なんです。」と言う。たしかに、同じパンでもそれぞれ持ち味が違うはず。こんな風に懐をひらいてつきあえるのはいいなと感じた。

 
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 校舎を出てから、あらためて玄関を眺める。八ヶ岳名水会がこの施設を管理していると書かれている。運動場や体育館もある広いスペース。

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忠魂碑ー侵略戦争に駆り出された村の歴史も刻む小学校は、人々の暮しの歴史遺産。

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 小学校の前にあるそば屋「豆の花」で、ワーカーズコープのご一行は昼食。ここも八ヶ岳名水会の施設。豆腐工房、パン工房と一体。

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 眼下に広がる農場を含む多機能型事業所「春の陽」の就労継続Bの部門の活動として、「豆の花」もある。「春の陽」については、共同連のセミナーで、施設外就労をたくさんやっていることやTSUENOWAという人手不足の農家に働きに行く仕組みについて、お聞きしている。が、今日は眺めるだけにとどめる。この「春の陽」のすぐ近くに日野春小学校があったことから、日野春學舎構想が生まれ、「春の陽」から「のはら樂団」が新たに生まれ学校に居を置くことになる。

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 職場参加をすすめる会・わらじの会一行は、リフト車3台を連ねて高原を上がってゆく。そして、小海線甲斐小泉駅近くの「手打ちほうとう・楽一」で昼食。ここも八ヶ岳名水会の施設と聞いていたが、おばさんたちが主で、初めはどんな施設なのか、よくわからなかった。食事ができるまで時間があったので、周りを散歩することにした。
おばさんに聞くと、すぐ下に八ヶ岳名水会の発足時からの入所施設「星の里」があるという。
近くの甲斐小泉駅駅は海抜1040m。このあたりもかっては開拓村だったのだろうか。定員50名の星の里が建てられたのは21年前という。すぐ近くに1970年開所の特別養護老人ホーム・仁生園がある。

 八ヶ岳名水会の活動拠点群は、現在、午前中に訪ねた日野春小学校、春の陽農場等の海抜700m弱のエリアと、県地域定着支援センターや市委託相談支援事業、中ポツセンターを含む障がい者総合相談支援室ふぁーすとまっぷ等がある海抜300mの韮崎エリア、それにここ星の里を中心とする海抜1000mのエリアを中心に、八ヶ岳の広大な裾野に広がっているという。
 そのひろがりの起点が、ここ星の里だったわけだ。入所施設から地域へ―なだらかな道ではなく、谷に戸惑い、藪に迷いながら切り拓いてきたであろう歴史がしのばれる。

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 降りて行くと、農園に抱かれた感じの施設があった。入所施設によくある塀や重く閉ざされた門は見当たらず、玄関までぶらりと行けた。そこで農作業帰りの利用者と支援員らしき人に会い、「春の陽」を見学し「楽一」に来たことを伝え、畑を見せてほしいと伝えると、笑顔で教えてくれた。

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 施設に隣接したこの畑の他に、少し離れた所にも畑があるという。養鶏場は100mくらいの所にあるとか。

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 畑の脇にあったハウスは「まきハウス」。障害のある2人と支援員1人がいた。落葉松をたくさんもらったのを少しずつこのハウスへ運び、薪にして清里のキャンプ場に納入するそうだ。
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 本人たちが鋸で切り束にするが、その束が細い木ばかりとか太い木ばかりとかでは商品にならないので、均質にそろえるのが支援員の重要な役割とか。これは夏場に向けての仕事で、秋になると薪ストーブ用の薪を作る。


 星の里入所者の日中活動として、養鶏・畑班、薪班、里山・畑班などがあり、通所事業としてデイサービス星の里や他の活動場所で行われるふれ愛・楽一・たんぽぽ、金木星といった場があるという。

 さきほどの楽一という店も、星の里のデイサービス事業の一環ということで、店内清掃や開店準備を重い障害者が担ったりしている場らしい。

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 楽一に戻ると食事ができていた。ただ、ほうとう(写真)は7食分とのことだったので、筆者らは「豆腐三昧定食」を注文してあった。ちょうど豆の花から、車で豆腐やおからを届けに来ていた。

 
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 小海線まで来たので、ついでに八ヶ岳横断道路まで上がり、清里の清泉寮へ寄って、ソフトクリームを食べて帰る。清泉寮から茅ヶ岳方面をを撮影する橋本画伯。

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