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zoom RSS Yくんの桜ひとつ散る 校長よ!社会的責任の重大さを踏まえた合否決定権行使を

<<   作成日時 : 2012/03/10 00:39   >>

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7年目の桜も雨に散った。Yくん、またも県立高校をただ一人定員内不合格。高校長に説明を求めると、障害が重すぎるし、点数がほかの生徒と離れすぎていたし、教員の共通理解が得られなかったからとの答え。
 写真は午後県教育局高校教育指導課との交渉。

県の入試選抜要項は「障害があることにより不利益がないように」と定めており、「障害が重すぎる」という理由はこれに違反。

また県は各高校長に対し、「定員内不合格はないものと認識している」と述べ、税金を負担している県民に公示した定員を守るよう指導している。したがって県としては、得点差があることで当該生徒を不合格にすることについては、定員内では県教委として認めがたいと校長に話をしている。

そして、教員の共通理解ということについては、教員の考え方を十分聴きとったうえで、最終的には校長が合否の決定をすることになっている。したがって、共通理解が得られないから定員内不合格を出してもいいことにはならない。

 以上まとめてみると、校長がYくんを不合格にした理由として挙げた事項は、ことごとく県の方針として確認されてきたことに反している。

交渉の責任者である主席自体、「私自身県教育委員会の指導が及ばなかった点についてたいへん残念に思う」と述べた。にもかかわらず「校長が一度決定したことは変えられない」と語る。
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 Yくんに対し、定員内不合格というあってはならない処分が下されたのはこれが初めてではない。(上の写真左がYくん、県立高校で学ぶSさんと)

5年前には、高校長が入学させられないと判断した理由を県が聴取しており、
1)施設・設備が不十分 
2)移動の介助を行う教職員が不足 
3)コミュニケーションが困難 
4)進級の見込みが立たない 
等の答えだった。これらはすべてYくんの障害の重さに帰結する。

「障害があることにより不利益がないように」を大原則としながら、ホンネの部分ではYくんのような障害者は高校に来る資格がないとみなしている。それを表立っては出せないから、「合否は高校長の総合的判断」としてお茶を濁しているだけだ(下の写真は今年の受験時のYくん)。
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 一歩譲って、高校現場が施設・設備についても、人的な体制についても、また授業のありかたや評価や進級・卒業の認定等について、困難な課題が山積していると認識している校長・教員たちの立場に立ってみよう。

 その場合でも、それらが整備された暁にはYくんを受け入れられるだろうと考えるのはまちがいだ。

いかに不十分であれ、いまある施設・設備、ノウハウ、施策、制度を必要に応じて運用しつつ、いまただちに受け入れてゆくことからしか、環境変革も行えないのだという気づきからスタートしなければならない。

障害のある生徒をたくさん受け止めている先進都府県について、県は「本県と違って財政的に豊かだから人を配置できる」などと解釈しているが、事実はちがう。初めて受け止めた時には、なにも保障されてなかったのだ。受け止めた現場の存在が、施策を変えていったのだ。

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 障害といっても一人ひとり違う。

その人がそこにいることでしか、周りも本人も互いの付き合い方が分からない。

コミュニケーションが成り立たない。互いに理解し合えない。

いまある施設・設備をどう活用できるか。人がどうかかわりあえるか。そして可能であれば施策的に補えることは何か。それらは先回りすべきものではない。
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本人が社会の欠かせない一員として認められ、学校・職場・地域に一緒にいて、学びや生活や仕事を共にする中で、工夫しながら練り上げてゆくしかない。障害者自立生活運動では、そのことをエンパワメントという。
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 校長にはぜひこうした点を理解した上で、自らの合否決定権の重みを理解していただきたい。

まず生徒として受け入れることからしか、教員たちの共通理解への一歩が踏み出せない。説明は付けなかったが、これらの写真に示されるように、小・中学校でYくんと他の生徒たちは、そうやって共に育ち・学んできたのだ。教員たちもまた、その関係に包摂されながら育ち、学んでいった。そのことをわかってほしい。

「高校は義務教育とは違う」というおごりは捨ててほしい。これは教育にとどまらない、すべての社会活動に共通する問題だ。だから国レベルでも「障がい者制度改革推進会議」が登場するにいたったのだ。県立高校の社会的責務を果たすべきだ。 

 ブログ公開後に届いたYくんのお父さんからのメール。増補しておくことにする。 

 七年目の受験NO.5 合否結果

 各位

表題の通り昨日、3月9日(金)入学試験の合否が発表されました。
 
 本年度も合格することはかないませんでした。(たった一人の実質的定員内不合格)

 既にご報告の通り、7年目ということで調査書が無いため、調査書の配点を除き、息子については面接の配点を加減したそうですが、他の受験生と得点がかけ離れていた点、及び教職員が全員反対したことで、校長として最終的に判断したそうです。

 もとより一般的なコミュニケーションを前提とした試験方法で点が取れるわけがないのは先方も承知のはずです。

 教職員が誰も受け持つとの意思表示がなかったということを校長がのべましたが、そのことが一番の問題ですね、人に優しくと言いながら公立学校の先生は「総論賛成(人に優しく)、かく論反対(自分が当事者になり担当する事)」この方たちに教育を受ける生徒が社会に巣立つときどのような感受性をもった社会人になるのでしょう。

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