共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 人には名前がある―7.4職場参加をすすめる会シンポ「探ろう!施設の明日―地域・職場支援拠点へ」

<<   作成日時 : 2010/06/30 23:07   >>

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就労支援センター、世一緒の前のたそがれ。共に働き、共に暮らすということは、先輩にどやされたり、悪い遊びを覚えたり、いじめられたり、ごまかし方を学んだり、それがばれて悔んだり……といったぬかるみを歩くことです。一般就労や自立生活の支援が目玉的にとりあげられる昨今ですが、ほんとうに地に足のついた支援が存在するのでしょうか。障害のない若い人たちが、働いても働いても生きる道を見出せず、貧困ビジネスに自ら囲い込まれてゆく時代の夕闇の彼方を、私たちみんながしっかりと見据える必要があるのではないでしょうか。


「人には名前があるということを、初めて知ったんです」

 越谷市役所で職場体験をした知的障害の青年。通所施設の職員たちは、コミュニケーションの苦手な彼に、いい体験になればと、障害者地域適応支援事業にチャレンジするよう勧めました。
 支援パートナーとして付いた施設職員は、彼が初めて市役所の職場に入るにあたり、現場の担当職員の名前を教えました。彼はその名前を覚え、あいさつをしました。

 「彼はそれまで、人には名前があるということを、知らなかったんですね」

 家族の中でも、施設でも、彼は常に保護され、指示される立場でした。彼にとっては、家族や施設は、常にシステムとしてあり、一人ひとり異なる人間の集まりと感じる機会はなかったのでしょう。

 この市役所での職場体験で、初めて彼は、受け入れる職場と彼と支援パートナーが、試行錯誤しながら、一緒に働き方を探ってゆくプロセスを感じ取ったのだと思います。その時、教えてもらった名前が、一緒に現在を生きる生身の人間として、生命を持ったのです。

 通所施設に帰ってきた彼は、施設職員一人一人の名前を覚えました。ひんぱんに職員の名前を呼ぶようになりました。「用もないのにやたら呼ぶんですよ」と、ちょっぴり困り顔で、でもうれしそうに、施設職員さんは話していました。

出合いと別れの実感はあるのか 

 かって福祉も特別な教育もほとんどなかった時代、障害のある人たちの多くが、だるま屋さんや豆腐屋さんや瓦工場や畑や養鶏場など、さまざまな職場で共に働いていました。働けない人たちは、それぞれに家事を手伝ったり、家の周りを巡回して子ども達と遊んだりしていました。ごく少数の人が施設で暮らしていました。

 共に働き、共に暮らすということは、先輩にどやされたり、悪い遊びを覚えたり、いじめられたり、ごまかし方を学んだり、それがばれて悔んだり……といったぬかるみを歩くことです。さまざまな人とのぶつかりあいです。出会いと別れです。涙と笑いです。

 その実感が、いま、職場でも地域でも、薄れているのではないでしょうか。人に名前があることを知っていたとしても、その名前は生命を失った単なる記号になってはいないでしょうか。

 一般就労や自立生活の支援が目玉的にとりあげられる昨今ですが、ほんとうに地に足のついた支援が存在するのでしょうか。障害のない若い人たちが、働いても働いても生きる道を見出せず、貧困ビジネスに自ら囲い込まれてゆく時代の暗い地底を、私たちみんながしっかりと見据える必要があるのではないでしょうか。

 だからこそ、いま、私たちは、あえて福祉施設から再出発したいと思います。福祉施設を、名前のない支援システムに終わらせず、地域・職場に出てゆき、泣いたり笑ったりして生きる、雑多な人々の拠点にしよう!福祉施設を核とした、共に働き・共に暮らす地域ネットワークを進めよう!

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障害者の職場参加をすすめる会定期総会記念・越谷市障害者地域適応支援事業10周年記念シンポジウム
  シンポジウム「「探ろう!施設の明日―地域・職場支援拠点へ」

日時:7月4日(日)14:10〜16:10 

会場:越谷市中央市民会館4階13〜15会議室( 越谷駅から東へ徒歩7分 埼玉県越谷市 越ケ谷4-1-1 TEL048−966−6622 )

参加費:会員500円、会員外600円

 このシンポジウムでは、越谷市における福祉施設等から公共機関等への職場体験の事業である障害者地域適応支援事業が10年目の節目にあたることを踏まえ、中・長期的な視野で労働・地域のありかたを考えます。

 福祉と労働の世界が、さまざまな施策の実施にもかかわらず、ますます分け隔てられてゆく状況の下、「就労移行」、「地域移行」といった個別の移行にとどまらず、現在の施設のありかたを地域で共に生き・共に働く支援拠点に変えてゆくことが問われているのではないでしょうか。
 今回は福祉施設の利用者・職員や施設支援に関わる行政機関の皆様をまじえ、多角的に考えてゆくシンポジウムにしたいと考えています。

 ※なお、このシンポジウムは、当会が2010年度事業として、独立行政法人福祉医療機構の社会福祉振興助成を受けて実施する「本人・住民参加の障害者就労支援交流事業」(第1回の交流見学は、7月26日(月)八王子ワークセンター)の事前研修を兼ねています。八王子ワークセンターは、1997年に市からの公園清掃委託を基盤に、八王子障害者団体連絡協議会と八王子通所施設連絡協議会が母体となって発足。その後、通所授産施設喫茶、就労・生活支援センター、地域デイグループ、ペットボトル中間処理事業所、八王子市役所売店、作業所等経営ネットワーク事業など、自治体、民間と組んで、重層的な共に働く街づくりを進めています。

シンポジスト: 土屋 幸仁さん(NPO法人八王子ワークセンター理事長)          
          田中 直樹さん(越谷市手をつなぐ育成会千草園施設長)
          大谷 英樹さん(社会福祉法人平徳会こしがや希望の里職員) 
          清水 賢吉さん(2009年度地域適応支援事業参加者)
          吉田 弘一さんほか越谷市障害者就労支援センター職員

コメンテーター: 小川 誠司さん(埼玉県福祉部障害者自立支援課主幹)
           瀧田 賢 さん(越谷市障害福祉課課長) 

コーディネーター:朝日 雅也さん(埼玉県立大学保健医療福祉学部教授)

参加のご連絡は、FAX:048-964-1819(世一緒)またはメール: shokuba@deluxe.ocn.ne.jp まで、ご氏名、連絡先を明記の上お願いします。

主催:NPO法人障害者の職場参加をすすめる会(代表理事 鈴木 操)
  〒343−0023越谷市東越谷1-1-7須賀ビル101 職場参加ビューロー・世一緒内
                                        事務局長 山下 浩志
[Eメールアドレス shokuba@deluxe.ocn.ne.jp





→このシンポの記録(要約)については、筆者が事務局長を務めるNPO法人障害者の職場参加をすすめる会会報「職場参加ニュース」NO.17に掲載しました。お求めになりたい方は、同会まで。(〒343-0023埼玉県越谷市東越谷1-1-7須賀ビル 職場参加ビューロー世一緒内 Tel&Fax 048-964-1819 shokuba@deluxe.ocn.ne.jp)


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