ピアスタッフとして 2021.5.26 すいごごカフェ 小川菜穂子さん(ピアスタッフ)

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19歳で発症した精神障害

 ねずみ年生まれ。府中市出身。バツ2で21歳の息子がいるけど同居はしていない。統合失調症で月1回の受診と服薬をしているけど、現在は寛解状態。精神障害者が自分らしく、より豊かに暮らすことのできるまちづくりを目指し活動をしているNPO法人くおーれの風の代表をしている。

 小さい頃から中耳カタルという難聴だったが、小学校時代に治り、突然音が頭の中に流れ込んでくる経験をした。5年生の時には肺炎にかかって長いこと自宅療養するうちに行く気がなくなってしまった。中学校時代は暗黒時代で、1~2年の時はいじめにあった。高校は都立の普通科。

 1991年、19歳の頃、高校卒業して保育の専門学校に進学してから病気が始まった感じ。5月頃から不眠や筋肉痛みたいな症状が現れて、幻覚幻聴も始まった。でも精神科に行っても、病名ははっきりわからなかった。さらに、その病院に通院していたら昔の健康的な私じゃなく、覇気がない感じになってしまって。仕事の面接は受かるんだけど、いざ働きだすと物覚えも悪く、使い物にならなかった。その後結婚もしたが、物事がうまくいかなくなると、私の家族や結婚相手の親に入院させられたりしたし、東京の病院で電気痙攣療法も経験した。この電気ショックで1人目の旦那さんのことを覚えてないし、2~3年記憶が混濁しちゃってる。もう受けたくない。

 退院してからは2、3年引きこもりをしてたが、その間に父親が倒れ、スーパーや銀座のクラブなどでバイトをするように。夜の商売の接客は今の仕事にもたぶん活かされている。2度目の結婚は26歳で、その後の出産を機にうつを発症した。私の豹変ぶりに対応できなかった夫がDVするようになり、東京の女性保護センターに保護され、そこから南埼玉病院に辿り着いた。

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今までとは逆の立場のピアスタッフになって

 2000年が転機。当時の先生が診断してくれて、病名が統合失調症に決まった。約1年入院し、人生ががらりと変わった。病院はひどいところだってイメージがあったから詰んだなと思っていたけど、行ってみたら開放的な病院だし、ちゃんと話を聞いてくれたり、患者同士も助け合っていた。人間として普通に交流ができた。それが嬉しかったし、心がすごい癒されたというか。それで、自分もこのまちで暮らしていけるかもしれないと思えるようになった。でも退院する時には父母が私の引き取りを拒否したので、そのまま南埼玉病院で1年近く過ごした。それから病院のワーカーさんが親から一人暮らしの許可を取ってきてくれて、2000年から越谷で一人暮らしを始めた。

 NPO法人ぶなの里越谷が運営する就労継続支援B型事業所のステップ工房で作業している時にピアヘルパーの資格を取り、2006年頃から数年はピアスタッフとして、医療法人財団アカシア会が運営する地域活動支援センターパティオ、障害福祉相談支援センターパティオに勤務し、退院促進事業に関わったりした。

 また、東京大学医学部付属病院でもピアワーカー(ケアスタッフ)として1年間勤務した。医療を受ける立場だったのが逆になり、スタッフとして現場に入っていろいろなことを経験した。教授回診に一緒に行かせてもらったり、患者さんが先生には言いづらいことや本音を引き出して電子カルテに打ち込んだりするのが私の仕事だった。また、病院で働きながら勉強して、精神保健福祉士の資格を取得した。今まで諦めてばっかりで、目標を持っていないとダメになっちゃう気がしたから、意地で頑張った。

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ピアスタッフ自身も支えてほしい

 でも、私ははっきり言ってピアスタッフとかサポーターとかいうのは専門家の幻想じゃないかと思っていて。当事者同士だからわかるだろうっていうけど、求められた人はかなり負担になる。同じ気持は痛いほどわかるけど、わかりきっちゃってるから、相手のずるさもわかることがあって。それで同時に自分のずるさも掘り起こしてフラッシュバックしちゃうことがある。同じ当事者でも合う合わないはあるから、みんながうまく立ち回れるわけでもないし、愚痴を吐ける場所がないときついんじゃないかな。当事者を支えるピアサポーター自身をフォローできないと、その人はつぶれちゃうんじゃないかなって。

 あと、癒された経験がないと、人に優しくするやり方がわからないと思う。安心とか癒しって、人間の中で占める割合が多ければ多いほどゆとりができるし、そういう経験がないと、焦っちゃったり雰囲気にも余裕のなさが出ちゃう。居心地がいい場所とか、信頼できる人がいるとか、そういうのが大事だなと思う。

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質疑応答

開放的な精神病院は少ない

澤:たまたまこちらに引越して開放的な良い病院に出会ったと。その割合ってどのくらいだと思う?体感的に。
小川:精神保健福祉士のための勉強をしている時に思ったけど、先生たちが教えてることって立派なことだけど、現場で活かされてるかといえば、当事者としても疑問。ひどい体制の場所のほうが多いんだけどどうしたらいいんですかね?旧体制というか、管理しやすいからかな。でも人間が人間を管理するってちょっと違うなと自分は思う。お金が絡んでるからかな。

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