養護学校あかんねん 2021.3.10 すいごごカフェ 大塚眞盛さん(元特別支援学級・学校教員)

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差別、多様性…現代にも通じる問題点

 「養護学校はあかんねん!」は、1979年の養護学校義務化の年の1月、文部省前に義務化を阻止しようと集まった障害者当事者を中心とする人たちの6日間の記録映画。全障連(全国障害者解放運動連絡会議)の人達が中心になって文科省交渉をしたんだけど、このDVDは障害者たちがインタビューに答えている場面が中心で、ほとんど養護学校を出た人々の証言。何度も見ていて思うのは、現代にも十分通用するし、こんなことがあったのかって、新発見の表現・内容がいっぱいある。差別とは何かとか、多様性を認め合うとか、平等は何かっていうことを考えたいと思います。

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~DVD鑑賞~

養護学校義務化に賛成だった新任時代

 私はちょうど79年の義務化の年に養護学校の教員になったから、いろいろびっくりすることが多かった。例えば20歳で中学校1年生っていう人達が10人前後いた。それまで就学猶予だった人々を就学させた年だったわけ。元々家の中で閉じこもってる人が多かったから、そういう人々が外に出て学校に通うようになったことは、ある意味いいことなんじゃないかって考え方が当時は強かったし、私もそう思っていた。とにかく教育を保障しようということで、職員もものすごくシャカリキで熱中して生徒の指導に当たったんですよね。

 ビデオの中に発達保障論に基づいた発達診断表っていうのが出てきた。2歳になると伝い歩きができるかとか、何歳になったら三角が書けるようになるとか、ある意味よく分析してあって科学的なんだけど、これに合わせて発達させていこうという表だった。障害があることを認めず、障害があっても健常児に限りなく近づくんだという考え方。でも、川口の養護学校は非常にそれに頼った教育をしていて。例えば高等部の青年達に、足腰が弱いからまずハイハイからやって鍛えなさいと。その辺りから、同僚の半田さんや障害者運動のリーダーの八木下さんとかとも仲良くなって、やっぱり発達保障論や養護学校の義務化はおかしいなと感じるようにった。

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障害者を”作っていく”現在

 35年間特別支援学校と支援学級でやってきたけど、いろいろな変化は出てきたと思う。昔は、普通学級を望む保護者が多かった。今では、例えば低学年のうちは普通学級でも大丈夫ですよって判断が出ても、保護者の方が手厚い保護が受けられえる特学の方がいいですと言ったり、支援学校がいいですと言ったり、保護者の方から進んで支援学校とかに行くパターンがかなり増えてきた。保護者の考えが安全・安心に変わってきちゃって、冒険をさせたくないと。でも、今の普通学級の中に障害児を入れるには保護者は相当な覚悟が必要だと私も思う。保護者にとっては、狼の群れの中に子羊を放す感覚がある。さっきのDVDの中にも出てきたけど、世の中がエリートとか優秀な人を求めるようになってきちゃってる部分があって。そうなってくると、ちょっと変な人は障害者になっちゃう。

 ノーマライゼーション、インクルーシブって名の下、今各学校に特別支援学級を作ろうという動きがかなりあって。県の統計を見ても、生徒数が減っているのにも関わらず、支援学校・特学の数はどんどん増えていて、20年前に比べたら倍以上。作れば生徒を入れなければいけないわけで、結局障害者を作っていくわけ。ということで、今本当にこのDVDで見た状況よりどんどん悪い状況になっている気がしてならない。養護学校義務化という流れの中で、知らないうちに差別的になって、みんなで一緒にやろうってことはなくなってしまって。これが常態化してしまってる感じがする。

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