誰が何をやってもいいーいろんな人がいることの大切さ 2021.1.27 すいごごカフェ 岩渕鉄平さんトーク(前編)

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デザインを使って子供達に伝えたいこと

 埼玉県草加市でデザイン会社をやっている。家族には11歳、9歳、7歳の3人子供がいて、長男が軽度の知的障害で、三男が中度の知的障害。7年前、長男軽度の知的障害とわかった時、僕は自分の子供から障害が出るなんて…と、事実を受け止めることができなくて現実と向き合わずに逃げた。仕事が忙しかったのもあって、家を顧みなかった。3年くらい経って、かみさんが育児ノイローゼじゃないけど弱ってしまって、もっと子供と向き合ってほしいと言われた。そこで僕は、このまま仕事を続けていたら一緒の時間を作れないし、何も残してやることもできない。できることをしようと、4年前に独立した。
 2019年からちょっとずついろんな活動をするように。デザインを使って子供達に多様性の素晴らしさを伝えたいと思って、霧吹きを使ったプリントバッグをやった。「キレイ」がいいんじゃなくて、誰が何をやってもいいんだよってイベントをやりたいと奥さんと話していて。普通に刷るとうまい下手が出てしまう。そこで、にぎる動作ができれば、比較的体が不自由な人もできる霧吹きを思いついた。失敗しちゃったっていう子もいるけど、世界に一つだけのカバンなので喜んでもらえている。


ドローンで仕事を

 もう一つ、合同会社で、家の点検などを行うためのドローンを扱っている。それを将来的には障害者の人に使ってもらいたいと思っている。例えば筋ジスの人でも指先を動かせれば飛ばしてもらって、それを職業として成り立つようにしたい。知り合いの筋ジスの22歳の若者は、現在施設で働いているけど給料が2万円で安いと。僕は、そういう子が輝ける場所を作っていきたい。テクノロジーを使って今よりいい暮らしをしてもらいたい。
 HPを作ったりするけど、うちの子を載せないでほしいとよく言われる。つまり自分の子供を認めることができない。いろんな人がいるから違うとは言わないけど、ちょっと悲しい。僕も物忘れがひどいんだけど、たまたま障害って診断がついていないだけ。ご近所さんもそうだけど、小さい頃は仲良く遊んでても、ちょっと歳とってくると何か違うなってわかるのか、のけ者にされたりする。親としては悲しい。でも自分ではどうだろうと思ったら、その子がどんな子かわからなかったら同じことをしているのかなと。だから、広くいろんな人がいるってことを知ってもらうためにイベントをしている。
 皆さん腹痛とか頭痛ってわかりますよね。でも精神障害者の辛さってわかりますか。幻聴や幻覚も見たことがないし。つまり、体験したことがないと感じることができないんだなと。だから広い意味で多様性を認めるような活動に触れてもらって、みんながちょっとずつ優しくなったらいいなと。不思議なことにいろんな人と知り合うようになって、認知症のケアラーとか、みんな志が一緒なんだなと思った。誰かのために動いている方がほとんど。それをつなげたい。ちょこっとの一歩が全体を動かしていけたらなと思っている。

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質疑応答

好きなことをやってお金が入る仕組みをつくりたい

岩渕:障害を持ってる親の共通の悩みだと思うけど、自分達がいなくなったらこの子はどうなるんだろうって思う。そんな子達のために、その子たちが好きなことをやってお金が入る仕組みを作りたい。知的とか自閉の子の絵ってすごい。商品として売り出すのは職員とは別の能力なので、それをサポートできないかなと。絵があったらそれをお皿にしたり売れそうなものにプロデュースして販売するということを少しずつやっている。
黒田:小さい頃に障害ってことがわかってよかった。途中からわかると大変なことに。
岩渕:自分は早く受け入れることができたので確かによかった。うちの真ん中の子は健常者。長男と三男が障害を持っているので、差別じゃないけど少し優しくしてしまう。すると次男はおもしろくない。それが今の僕の課題。どうやってこの子達に態度を変えずに接することができるかなと。コンビニで好きなもの買ってもいいよって次男に言ったりしているけど、思春期になったらちょっと違うなということを感じると思う。世の中的にはまだ親切じゃないなと思うし。


学校をめぐって

松丸:特別支援に行くか、それとも地元の学校に行くか、最終的に決めるのは家族?
岩渕:1歳児健診とか3歳児健診する年齢で通知が来る。1歳くらいだとそんな大差ない。うちは、ちょっと遅れてますねと2歳の頃に言われて。3歳の頃にできないことも多かったので支援センターに行って、診断された。
学校を選ぶ基準。僕が普通学校に入れますと言ったら、普通級で入れることもできる。僕反対派なんだけど。無理してそういうところに行ってもしょうがないと。本人が大変な思いをする。いい大変な思いと悪い大変な思いがあるけど。適正なところに行って自分の適性をわかってほしい。
僕の子は中度って診断されていて、ちょっと頑張ったら普通学校の支援級でもいいと言われていた。正直、支援学校のイメージがよくなかったんだけど、埼玉県立草加かがやき特別支援学校に行った時に、すごくきれいで。先生もめちゃくちゃいて、ここの方がいいと思って、そこに決めた。
樋上:僕は小学校は普通学級に行っていて、4年後に弟が入ってきた。でも、弟は僕のことを言われるのが普通というか。生まれた時からそういう環境なもんで、それが当たり前かなと思う。あと、岩渕さんのお子さんのエピソードがあったら教えてもらいたい。
岩渕: 子供は良い意味でも悪い意味でもみんなおバカ。頭がいいとか悪いとか関係ないような遊びをしている。今だったら、キャンプで誰が一番おいしく焼けるか、誰が一番焦がすことができるかとか。そういうことをやるとすごく喜んだりしている。勉強とかそれ以外のことで価値観を感じてもらえたらと考えながらやっている。意識しながらじゃないと、頭がいい方がいいっていう考えも残っているので。
萱場:私は小学校の時から発達障害ってわかってたけど、大人になってから障害手帳を取得した。お仕事など苦労したことがあったけど、今は普通に暮らせるようにはなった。
岩渕:僕のママ友でも障害者手帳を出したがらない人がいる。僕はバンバン使う派。いろんなところでタダになる。こんな魔法なチケットをもらっていいのって。なんで使わないのかなって。たぶん使う人が変だ、恥ずかしいみたいに思ってる人がいる。
黒田:周りの人に理解してもらわないと、何もできない。いろんな人にわかってもらえれば、ちょっとくらい何かあっても多目に見てくれたりするし。
岩渕:子供に障害があるって前は言えなかったんだけど、今は言ってる。近所のコンビニにも言ってる。万引きしちゃったことがあるけど、説明させてもらったり。
 いろんな人に知ってもらう時に迷惑をかけてしまったら、障害に対して良いイメージを持たれない。だから知ってもらって、そこから交流をさせてもらったりしたい。
 ご夫婦ともアスペルガーという人達がいて、公園でぶわっと飛ばす。シャボン玉で遊ぶ子供ってごちゃまぜ、そういうのってすごくいい。見てる人も子供も楽しい。そういうのでもいいなって。いろんな価値観があっていいな。

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