就労移行支援「世一緒」の現場から 職場実習を通して通勤・就労の介助を考える 2019.9.10すいごごカフェ 佐藤秀一さん

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もともと職場参加ビューロー世一緒の障害者スタッフで、就労移行支援「世一緒」ができてからその利用を始め、来春3月で早くも利用期限の2年になるがまだ就労に結び付いていない佐藤秀一さんが、8月に高齢者施設O園の清掃業務の職場実習を行った。9月10日のすいごごカフェでは、佐藤さん本人と就労移行支援「世一緒」の支援員・大塚さんと谷崎さんから、その報告を受けながら考えた。

 ここでは介助付き通勤、介助付き就労ということも課題としてあがってきた。いま木村さん、舩後さんが国会議員となったこと等をきっかけとして厚労省が検討し始めているのは、重度訪問介護を就労時にも使えないかということであって、片マヒで言語障害もある佐藤さんの障害は重度訪問介護の対象にならない。現に佐藤さんが外出に利用しているのは、移動支援のヘルパーだ。

ずっと働き続け障害が重くなっても働きたい佐藤さんがやっと職場実習
 佐藤さんについては、昨年9月にもすいごごカフェのゲストとして話を聞き、このブログにもまとめを載せた(工場労働が好き、障害は重くなったけどー佐藤秀一さん)ので、参照していただきたい。  https://yellow-room.at.webry.info/201809/article_5.html
 
 その時と重複する部分もあるが、まずは今年のすいごごカフェでの佐藤さんのトークから。

 世一緒の当番をやりながら、せんげん台の世一緒に通っている。小学校の時に入院して、脳腫瘍の手術をした。中学校卒業と同時にとび職を2,3年やったが、ある時3階くらいの足場にいるとき地震に遭って降りられなくなり、助けてもらったが高所恐怖症になり、仕事を続けられなくなった。

入院した時同じ病室にいた友達の紹介で、靴の製造会社ハルタに入社した。流れ作業で靴の艶出しを担当した。10年くらい勤めたが、不況の影響でリストラされた。

その後3年間、ハローワークに通って求職活動をしていた。草加のハローワークでフナショクのパン工場を紹介されて就職。汚れたトレーの掃除を担当した。8年ほど勤めたが、工場が遠くに移転することになり、通いきれないので退職した。

40歳ごろ、犬や猫の餌を作る会社でアルバイトした。学校給食の残飯をまぜる仕事だったが、臭くてやめた。

越谷にもハローワークができたので相談に行ったら世一緒を紹介され、それから当番などで活動している。脳梗塞を2度やり、障害が重くなったこともあるが、前のように仕事に就くことができないでいる。

今日は8月にやった職場実習の話をする。春日部市の特別養護老人ホームO園で、掃除の実習をした。

掃除の内容は、イスをテーブルの上にのせて、掃除機をかけてからモップをかける。水拭きもした。ベランダもやった。

通うのがいちばん大変だった。今回はだめだったが、いい経験をさせてもらった。

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介助付きの通勤・就労の公的制度の必要性を痛感した

就労移行支援「世一緒」支援員・大塚さんより

佐藤さんが仕事をするにあたっては、介助がないと厳しいと思っていた。

特に行くときの交通手段。バスを降りてから歩く道が想像以上に厳しかった。歩道がなく、側溝にもフタがないところが多く、万一そこに倒れていたとしてもわからないような所。私が歩くと7,8分だが、本人が歩くと2、30分かかる。歩くだけで仕事の半分以上のエネルギーを使ってしまう感じだし、だれかついてないと危ないという感じがした。

仕事中もふらふらしたり、よだれが出ているときは、疲れているサインなので、休みを取りながらやった。そう考えると、介助付きでないと仕事はできないという感じだった。

4日間実習した後、佐藤さんに聞いたところ、「仕事は十分できた」という感想だった。実際、あそこはワンちゃんもいる施設で、その毛などもたまっていたのがずいぶんきれいになったと思う。佐藤さん自身、ふだんより力を入れてきれいにしようという感じがあった。

厚労省の方針で仕事中の介助はまだ認められていないが、法制度が変われば佐藤さんの仕事はもっと増えてくると思う。

「一人で仕事するのが当たり前」というのがこれまでの常識だが、あの暑い時も歩いて実習やふりかえりにも行ったのは、それだけ執念を持っているからだと思う。周りの補助が必要な場合はそうした制度がほしいと思う。

ひとつの社会参加なんだと思えば、やりたい人にはあらゆる補助を考えてやれるようにすべきだ。

立場の弱い人が社会に参加していくことで、O園を利用している高齢者たちの社会参加も考えられるのかなと思う。

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管理職・同僚がいる職場の中の佐藤さんはちがった

同支援員・谷崎さんより

 1日目に大塚さんが掃除を手伝った時に事務長さんが「休みながらでもいいから自分でやってほしい」と言われたというので、2日目に私が付いた時「休みながらでもいいよ」を言ったのを事務長さんが聞いていて、「そんなに休みながらじゃ、他の人も時給でやっているんで」と言われた。

帰り道で私が「時給半分でもいいかな」と佐藤さんに言ったら、「だったら俺は(週2,3日でなく)毎日働く」と言った。1ケ月にいくらほしいという気持ちがあるようだ。

ただ、「それ何に必要なの?」と訊いたら、「えーっ?それ10万もかかる?」というような内容だった。現実的に計算してみて、目標を具体的にしてはどうかと思った。

2日目はイスをテーブルに上げ下ろしするのを手伝ったが、最後の日は「私は手も足も出さないよ」と言ったら、全部一人でやって時間内に全部終わった。職員さんに声をかけるのも自分でやった。向こうの職員さんも、彼が何を言っているのかわかってくれた。「
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介助者をどう育て、どうつきあって働いてゆくのか

世一緒ファシリテーター・日吉さんより

 実習の様子を聞くと、世一緒当番をしているときは掃除もずいぶんいいかげんな感じがするが、O園で実習した時は緊張感をもって働いたように思う。佐藤さんの中でちがいがあったと思う。

大塚さんが言われた介助を入れて仕事をするという問題、介助者をどう育て、どうつきあって働いてゆくのか、やはりそういうことを考えていく必要があると思う。

介助者におまかせになってもまずいし、どこをやってもらい、自分はどこをやるのか。実際やってみないと身につかない。

せっかく佐藤さんは働きたいと言ってるんだから、今後とも一緒に考えてゆきたい。

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