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zoom RSS パプアニューギニアの原生林を守る人々を再訪-越谷の百姓・倉川秀明さん

<<   作成日時 : 2019/02/09 23:43   >>

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 すいごごカフェは月に一回だけ、せんげん台の就労移行支援「世一緒」で、企画も任せて開催する。1月は就労移行支援「世一緒」で店頭販売している有機農法の野菜の生産者である倉川秀明さんにお願いしたという。しかも、倉川さんの事情で、どうしても水曜日は忙しく、月曜ならというので、21日(月)に開催した。

 以下、当日の倉川さんの語りと配布資料をもとに報告する。黒字が配布資料。青字は筆者の補足説明。

 倉川さんは、10数年前、53歳で一人で百姓を始めた。国際協力をしているNGOで働いていて、タイの農村に入っているうちに、「たしかに家は粗末であまり電化製品があるわけではなかったのですが、まだ自然が残り、おいしい食べ物は豊富にあり、農民たちはゆっくり生きていました。私たちよそ者を暖かく迎え入れてくれ、裏表のない、あけっぴろげの生活をしていました。…彼らにお金がないのは事実ですが、私は本当の豊かさとは何かを考え直すことになりました。」(月刊わらじ;2007年)と思うようになり、「農の豊かさを自分が体現出来たらいいなという思いで」百姓を始めた。
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 そんな倉川さんがその10年以上前、1990年から1992年間仕事で滞在した地、パプアニューギニアが今回の語りのテーマ。倉川さんが初めて訪れた地は、熱帯雨林の奥の山の中の小さな村で、雨季のある時期、週末の夜明け前に家を出て、「曙の薄明りの中をジャングルをそうっと分け入っていくのです。すると、木の天辺近くでクワックワックワッと甲高い鳴き声がして、極楽鳥が赤、黄、白の鮮やかな長い羽根と尾を拡げてばたつかせるのが見えます。」(月刊わらじ;2010)といったこの世ならぬ風景の中に暮らした体験があるという。

 しかし、そこは同時に、16世紀以後、ポルトガル、オランダを経て、イギリスの支配下に置かれ、日本軍が上陸し間もなく敗走、戦後はオーストラリアによる国連の信託委任統治の下に置かれ、1975年になって起こればせながら独立したという歴史を背負ってきた。

 そして、まさに独立後のパプアニューギニアには、直後から「日本企業やマレーシアの伐採企業による昼夜を問わない伐採と丸太輸出が行われてきた。輸出された丸太の60%が日本行きで、日本で合板(特にコンパネ)となって建築現場で使用され使い捨てられてきた。現地からの丸太輸出先が中国中心となった現在も、日本は中国をはじめとしたアジア諸国からの膨大な量の合板を輸入しており、最大の熱帯材消費国であり続けている。」(パプアニューギニアとソロモン諸島の森を守る会 ニューズレター 2017年5月発行 NO.38)という。


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パプアニュ一ギニアの原生林を守る人々
            — ニューブリテン島の村を訪ねて 一
<倉川秀明さん作成資料>
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パプアニューギニアの概要

面積:約46万Ku (日本の約1.25倍)

人口:約825万人(2017年,世界銀行)

首都:ポ一トモレスビ一

民族:メラネシア系、民族-部族-種族

言語:公用語は英語、共通語はビジン語、部族語は約8 0 0あると言われている 宗教:キリスト教各派、アニミズム、祖先崇拝が根強く残っている

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 原生林を守り続けている地域には、常に豊富な降水と湧水があり、タロイモ、ヤムイモも健康に育ち、干ばつとは無縁の世界が展開している。乾季であっても、お湿りも十分にあるという。

パプアニューギニアの歴史(概略)

1512年 ポルトガル人がニューギニア島沿岸を通過。その後、別のポルトガル人が北西部の海岸に上陸。

1660年 オランダ東インド会社がニューギニア島の統治権を宣言。

1793年イギリス東インド会社が西ニューギニア島を支配。

1824年 オランダが島の西半分の統治を確立。イギリスは東部に進出。

1884年 ドイツが北海岸の支配をイギリスに宣言。

1888年 イギリスがイギリス領ニューギニアを確立。ドイツは北部ビスマルク諸島の統治へ移動。

1942年 太平洋戦争で日本軍が上陸。まもなく撤退開始。

1945年 日本軍は敗戦により捕虜に。終戦後はオーストラリアが国連の信託委任統治を行う。

1975年 独立

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政治体制

政体:立憲君主制、英連邦に所属

元首:エリザベス女王(英国女王)、ボブ•ダダイ(Bob DADAE)総督(2017年2月就任)

議会:一院制,議員数111名,任期5年

政府:(1)首相ピーター•オニール(Peter O’Neill)

   (2)外務貿易相リムビンク•パト(Rimbink Pato)

外交:太平洋島嶼地域で唯一のAPEC加盟国となっている。また,太平洋島嶼地域の大国 として,太平洋諸島フォーラム(PIF)において強い発言力を有し,地域のリーダーとし て独自の外交を展開している。2015年の9月から2016年9月までPIF議長国。2018年 11月にAPECの首脳会議が行われ、議長国を務めた。

経済:
主要産業:鉱業(液化天然ガス,金,原油,銅),農業(パーム油,コーヒー),林業(木 材)

1人当たりのGNI (国民総所得):2,410米ドル(2017年,世界銀行)、

日本の1人当たりGNI(PPP)は世界22位で45,470ドル(約500万円)

主要貿易品目:

(1) 輸出液化天然ガス,金,原油,銅,ココア,コーヒー,木材,パーム油

(2) 輸入石油,機械類,コメ,自動車,衣類

主要貿易相手国

(1) 輸出オーストラリア,シンガポール,日本,中国

(2) 輸入オーストラリア,シンガポール,マレーシア,中国(2016年,アジア開発銀行) 通貨:キナ及びトヤ(100分の1キナ)1キナ=約4 0円(2 018年11月)

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経済関係:

(1) 貿易額(2017年,財務省貿易統計)

パプアニューギニアへの輸出193億円 パプアニューギニアからの輸入2, 739億円

(2) 駐在日本企業数11社(2018年3月)

在留邦人182名(2017年10月現在)

在日パプアニューギニア人数54名(2017年6月,法務省在留外国人統計)

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パプアニューギニアと倉川秀明の関係

1990年〜1992年 国際協力事業団(現国際協力機構JICA)による専門家派遣で 日本語教師として国立ソゲリ高校に勤務 国立ソゲリ高校パプアニューギニア国内最初の高校。

首都ポートモレスビーから42Km、標高600mの高原の村の中にある全寮制高校。 国際協力事業団JICAによる無償援助事業。

1997年 干ばつ救援緊急活動で各地を調査、日本でのキャンペーンによる寄付

1998年 津波被害緊急救援活動、北部海岸シサノ周辺、約3000人が犠牲

2 0 01年 家族旅行

この間、パプアニューギニアとソロモン諸島の森を守る会と連携しながら活動する

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パプアニューギニアとソロモン諸島の森を守る会


パプアニューギニアとソロモン諸島の森を守る会は、パプアニューギニアを訪れた12名 のメンバーにより、1994年に発足しました。会員数は約300名。

1 パプアニューギニアとソロモン諸島の熱帯雨林とその森の暮らしの素晴らしさを人々 に伝える。
ニュ一スレタ'一の発行、学習会はスライドショー、資料集や絵はがきの作成•販売、講演活動など。
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上の写真:「豊かな生活」を守るために森林伐採を拒み続けている、パプアニューギニアのウイアク村。

2 熱帯雨林の生態系および伐採による影響についての現地調査
伐採を進める不正義の構造についての調査•分析
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上空からのムー村(ポール・パボロさんが暮らす原生林の村)奥地。森を裸にされ、オイル・バーム・プランテーション化が進む。

3 スタディーツアーやエコツアー
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上の写真は見渡す限り、切り倒され焼かれたオイル・パーム・プランテーション


4 原生林を伐採から守ろうとする住民を支援
伝統的なタパ(榭皮布)などのオルタ•トレード(民衆と民衆の交易)に協力
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ニューブリテン島南岸の原生林を守るポール・パボロさん。

5 現地進出の日本の伐採企業の調査と交渉

6 熱帯材使用削減、国産材活用を推進

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上は森林火災発生地域、下は干ばつ発生地域。いずれも原生林が伐採され、オイル・パーム・プランテーションに変えられていった地域に一致する。


7 干ばつ•津波等の被害に苦しむ住民への支援
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 ポール・パボロさんたちは、手軽な組み立て式の製材機をもって原生林に入り、身近な暮らしで必要な限りでの材木を作り、森の恵みを共有する。



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