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zoom RSS 介助のある暮らし―増田さん親子と共に生きる地域を考える

<<   作成日時 : 2018/10/22 22:11   >>

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 10月17日(水)は、仕事おこし懇談会inこしがやと連携した「Lunch Cafe どっこいしょ」で、キッチンとまとのカレー(希望者、コーヒー付300円)をいただいた後、すいごごカフェ。
 
 ゲストトークは、増田 由紀子さん(ヘルパー、障害者の親)。
 タイトルは「介助のある暮らし」。介助を職業として生きることと、介助を必要とする障害者の親として共に生きることと、提供者であり利用者でもある立場から見えてくる地域のいまを語っていただいた。

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 以下の青字部分は、増田さんが作成して配布されたレジュメ。これに沿って、話された。


増田親子のプロフィール

由紀子(母)54才 職業:介護福祉士

居宅介護事業所に勤務(16年目)
老人介護&障害者自立支援の介護を行っています。

資格:ヘルパー2級、介護福祉士、難病者等ホームヘルパー基礎研修1・2、同行援護(一般課程)従事者養成研修終了、調理師免許、介護食アドバイザー、パン技能講師などの免許保持

侑太(本人)23歳、最重度知的障害者

保育所から、あけぼの学園、みのり学園、埼玉県立越谷西特別支援学校卒業。現在、特定非営利活動法人Take生活介護施設第3テイクに通所(月曜から金曜平日)福祉サービスを利用。

現在利用しているサービス:
 ・居宅支援(身体介護、移動支援(身体有))
 ・短期入所支援(ショート)
 ・相談事業所
 ・知的障害者介護人派遣事業
 ・ファミリーサポート(現在利用なし)、日中一時預かり(現在利用なし)


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1. 介助をする側について
 主に、平日に在宅支援を行ってます。介護保険、障害者自立支援等全般をひきうけています。市内を回ってます。利用者さん1人1人、生活状況や身体状況が違うため、ケアプランに沿って介助をしています。資格を持つ者として最低限の知識を得ることで、利用者さんが安心して生活できるように心がけてます。出来ないことを援助する・・・出来ないことは、やってもらう・・・けしてお手伝いさんではないことを利用者さんには、理解してもらっています。契約する際には、ちゃんと理解した上で契約してほしいと思います。
出来ること、出来ないことが、あります。


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2. 介助される側について
 侑太は、最重度の知的障害者です。1人では生活できません。
 出かけるときも、誰かがいないと出かけられません。

 現在利用している。福祉サービスを使って生活していますが、現在言われているように、人材不足の為活動をキャンセルされることもあります。現状ではわかってる為無理は言えないので、あきらめてます。

現在利用している短期入所も最初利用した施設で、入所者さんの持ち物を壊した事で、「手がかかるため、もう少しおとなしくなってから利用してほしい。」と言われあきらめました。現在は、違う施設を利用していますが、最初は「また行くのか?」とすごく抵抗され、叩かれもしましたが、「違う施設だよ。」と言い。現在は、ようやくなれてきたところです。

施設の職員さんにもちゃんと話をして、理解してもらってどうにかなっていますが、いつどうなるか不安もあります。
侑太自身家にいるより、外に行きたい。親とより他人と一緒にいて自分の世界を作りたいタイプです。それでいいと私は思います。

いつまでも親といる事は、出来ないので親離れ、子離れしないといけないと思ってます。
親亡き後をどうしても考えてしまいます。いつどうなるかわからないので、今から準備しています。
誰でも読んでわかるように、「サポートブック」や「親心の記録」活用をしたいと思っています。

地域での生活については、はっきり言って生活しづらいと思っています。

雄叫びや突然騒ぎ出したりすると、親としてはその場から逃げ出したくなります。周りの目が気になると良く聞きます。親がいつまでも面倒見ないといけないのか?自分の事も心配しないといけないのに・・・「この子の行き先がないと共倒れする」と悩んでる親御さんもいます。老人入所施設は、どんどん出来てるのに、障害者入所施設・グループホーム(重度の)が出来ないのは、やはり大変だと言うイメージがあると聞いてます。老人介護の方は、イメージ出来るようですが、障害者介護の方はイメージできないようです。

今後いろいろサービスを利用しながら生活していきたいと思います。


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 上の写真は、侑太さん2歳の時、ローソンの所の写真館でモデルをやっていたときのものだという。

 さて、ここからは、当日の増田さんの語りと筆者のコメントを若干。

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増田さんの働き方と地域の暮らしの風景

増田さんが働くヘルパー事業所は30人いるが、3分の2は60才以上で、フルに働く人は10人足らずという。在宅介護は1対1で接するので、何かあった場合緊急で対応しなくてはならない。行ったら亡くなっていたとか、心臓マッサージをしなければならないことも。ただ、身体介護も生活援助も同じ時給なので、楽な方に行ってしまうほうが多く、人工呼吸器を付けている人も含めて、増田さんが担当することになるケースがしばしばという。

 寝たきりになっても在宅で暮らしたいと、制度をフルに使っている人もいると、増田さんは語る。そういう暮らしはできないことはないが、介護を担うヘルパーがいるかいないかだと。

 息子・侑太さんを例に挙げて、障害者は自分を嫌っているということを波長で感じ取り、自分に近づくなという態度をとると、増田さんは言う。そんな時、認知症の人も、物音を立てたり、暴力的になる、モノ盗られ妄想も強くなる、そういう場合何かあると思ったほうがいい、実際にヘルパーを交替させてこともあるという。

 入浴やベッドからの移乗などはてこの原理を応用して腰を痛めないようにできるし、視覚障害者の人とカラオケに行く時は歌詞を先読みすることで一緒に楽しめるなど、増田さんのノウハウは分厚い。さらに、糖尿病などの人には、野菜炒めする前に一回茹でれば、時間もかからないし、脂もいっぱい使わないで済むという。

 そして、ヘルパーそれぞれがいろんなやり方をやっているので、家族もいろんなヘルパーさんに訊くのがよいという。そして、あとは手抜きをすること、ストレスが溜まって亡くなる家族が多いからと。

 ヘルパーたちの状況については、若い人たちは給料が安いので生活できないし、精神的にやられて辞めちゃう人もいる、いっぽう年金生活の人はあまり働くと減らされるから働けないという。

 そして、実際の業務については、台風の時にも、家族から来ないでいいと言われれば行かないが、そうでなければ行ってくださいということになる。「行って安全確認をしてから帰れ」と言われることもある。ぐあいが悪くなる場合もあるので、大雪でも歩いて行ったりする。この前も「予定時間をちょっと過ぎますけど」等了解を得て行った。よほどでないと休みにはならない。その際、息子の侑太さんの安否確認については、独立して生活している長男にようすを見に行ってもらったという。

 増田さんは家の近所にけっこう利用者がいるので、夜歩いて回ってきて、電気がついているか確認したりもしていると語る。

 増田さんの働き方をベースにして、利用者本人や家族がさまざまな暮らしを編み出している風景がひろがる。

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抱え込みを断たず、地域にひらく道はないか

 そのいっぽうで、増田さん自身が、侑太さんのことで「抱え込みすぎ」と言われるという。以前から、通所の場と居宅支援を使い、相談支援事業所も利用した。
 その上で、増田さんの今回のレジュメでは、入所施設やグループホームを作ってほしいという希望が述べられている。

 すいごごカフェの終わりの方で、筆者は、増田さんが他の障害者や高齢者、難病者等の地域での暮らしにつきあいながら生きてきた関係の中に、なんで侑太さんの地域での暮らしを編みこんでゆけないのかと疑問を投げかけた。増田さんの答えは、そうしたいがみんな誰かがやってくれればという姿勢だからと。

 たしかにそうだが、入所待機者といわれる障害者等の家族も含め、やむをえず地域で共に生きている。そして、本人と家族、それぞれに、増田さんがヘルパーとして蓄積してきたものとは異なる、その家族独自の介助スタイルや住まい方の工夫などを編み出している。かって、恩間新田の新坂姉妹の家にも、きみ子さんの家にもそれがあった。長年の生活の知恵を学びながら、私たちよそものの都合をつきあわせることで、生活ホームやケアシステムわら細工ができた。

 いま筆者が、橋本画伯と母の障老介護、老障介護の現場に泊り介助の試行を重ねているのも、同じだ。制度をナマで食べるのでなく、限界介護の土壌に地域の風を呼び込んで、発酵するときを待ちたいからだ。

 いろいろなヒントに気づかせてくれた増田さんのトーク。少し間をおいて、また。

 
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