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zoom RSS 分ける制度を共に活きるために使えるか―すいごごカフェに託すもの

<<   作成日時 : 2017/11/22 20:09   >>

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 NPO法人障害者の職場参加をすすめる会では、今年度4月当初から毎週水曜の午後を「すいごごカフェ」と称し、毎回身近な地域のさまざまな人をゲストとして招き、その人の半生や仕事、活動などを語っていただくイベントを重ねている。

冒頭の写真は、11月22日のすいごごカフェ。ゲストは銀座の和装小物店の老舗「平野屋」の平岩和好さん。平岩さんは、わらじの会の初期のころからの会員で、今年は仕事が忙しくわらじの会夏合宿にもバザーにも出られなかったことを、大変悔やんでいた。平岩さんの話の中身は稿を改めてお伝えするが、この日の参加者の中に、越谷の伝統工芸で、先年工場を閉鎖した籠染の「中野形染」社長夫人と妹さんがおられ、平岩さんの話に共感しつつ、失われてゆく職人たちの技を活かし受け継ぐ地域を求め語り合う。

 8月の初めから先週までのゲストを列挙してみる。

 大熊照男さん(人権啓発映像監督)、友野由紀恵さん(わら細工運営委員、世一緒金曜当番)、関根賢一さん(越谷市国際交流協会)、宇都木章さん(特別支援学校元教員、ぷろっぷはあとあすなろ元施設長)、日吉孝子さん(すすめる会運営委員)、宮田新一さん(草加視覚障がい者虹の会)、中島泉さん(NPO法人ひかりの森副理事長)、植田信夫さん(東京都築地市場元経営指導課長)、水谷淳子さん(耳鼻咽喉科開業医)、飯島信吾さん(インターネット事業団、仕事おこし懇談会inこしがや)、内山豊美さん(生活クラブ生協越谷地域協議会)、須長こうさん(ワーカーズコレクティブ・キッチンとまと代表)、青木繁明さん(グループホーム入居者)、松山美幸さん(聴覚障害の主婦)。
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 ゲストの方々は、なんらかの形でNPO法人障害者の職場参加をすすめる会の活動に関っていたり、会のメンバーの誰かと一緒に動いていたりしている人がほとんどだ。

だが、身近な人同士の日常では、すいごごカフェのようにまとまった話を聴くことがなく、そうだったのかという再発見の場になっている。
 
 聴き手の常連は世一緒の障害者スタッフや私のようなサポーターが主だが、カフェ形式をとり、100円のコーヒーを飲みながら誰でも気軽に参加できる。だから、世一緒に初めて足を踏み入れたという人もいる。

 すいごごカフェになぜ今年取り組んだのか。一言でいえば、共に働く地域のための地拵えだ。

 NPO法人障害者の職場参加をすすめる会を立ち上げたのは、越谷市と協力し合って練り上げてきた市障害者就労支援センターを受託し、運営するために法人格が必要とされたからだ。
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 このセンターは、いわゆる就労支援だけではなく、福祉や医療の利用者の職場参加にも取り組み、また職員による支援だけでなく利用者自身も共に支援の主体となるピアサポートによる就労支援を、事業の柱に組み込んであった。

 とはいえ、実際の運営上では、市の機構上、予算上等の制約があり、センター単独では所期の目的を果たせず、自主事業としての世一緒を同時並行的に運営することによって、上記の事業の柱が具体的に実現されてきた。
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 8年目、そのことを市としても認め、世一緒の活動の一部を就労支援センターの事業の一環に組み込むための予算増がなされ、センターの就労実績も大きく前進した。しかし、その3年後の契約の際、市は受委託先を社協に変更し、10年にわたった受託運営は終わりを告げた。2015年5月末のことだった。

 NPO法人はセンター受託運営のために設立したのだから、ここで解散するという選択肢もなかったわけではない。しかし、スタート時と異なる環境として、センターと世一緒を車の両輪として耕してきた地域という畑がある。連携してきた団体や個人が多数いる。そして、世一緒にはグループワークにエントリーした170名余の障害者のつながりがある。
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 かくして、世一緒を軸にしたNPO法人の再スタートが切られた。2015年度は、「障害者と地域住民による身近な仕事おこし事業」(独立行政法人福祉医療財団 社会福祉振興助成事業)を実施し、世一緒のグループワークを拡げた。
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 そして、2016年度は、毎週木曜夕方の「たそがれ世一緒」を立ち上げ、会社や施設帰りの人々が立ち寄って交流する場を設けた。グループワークにエントリーした人々の内部情報誌「世一緒NOW」の発行も始まった。

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 その暮れに、ワーカーズコレクティブ他の市民団体との連携組織である「仕事おこし懇談会inこしがや」の協力により、「Lunch Cafe どっこいしょ」と称する共食フリースペースを試行した。
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 そして、この2年間の積み重ねの上に、今年度は生活クラブ生協越谷地域協議会やケアシステムわら細工、仕事おこし懇談会inこしがやとの連携による「うんとこしょ―共に活きる街の介護人養成講座」と「すいごごカフェ」(及び「Lunch Cafe どっこいしょ」の月1開催も連動)を実施している。

 2015年6月から2017年度は、手弁当による事業が多くを占めている。しらこばと水上公園の花壇の地拵えのように、機械を入れるのでなく人力で土をかき回しているからこそのきめ細かい土壌づくりをしてきた。
 なんのためか。法人として、2018年度、初めて障害福祉サービス事業者になろうと決めたからだ。障害者就労移行支援事業「世一緒」を立ち上げようというのだ。

 ご存知のように、障害福祉サービスの制度は障害のある人々をくくりだし、分け隔てる役割を背負わされている。
就労系サービスには、1)就労移行支援 2)就労継続支援A型 3)就労継続支援B型 があるが、それぞれ対象者を次のように区分している。
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 1)就労を希望する65歳未満の障害者で通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者 2)通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者 3)通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である者。

 しかし、ちょっと考えればわかることだが、「通常の事業所に雇用されることが可能」とか「困難」というのは、事業所と本人との相互関係であり、さらにその関係を取り巻く環境次第である。

 同様に「雇用契約に基づく就労が可能」とか「困難」というのも、相互関係であり、環境次第といえる。いわゆる「悪しきA型」問題に関する厚労省、自治体の指導のありかた次第でA型が激増したり、つぶれたりしている状況がそれを示している。

 障害者就労移行支援事業「世一緒」は、越谷市で開設する。そして、かって越谷市と障害者就労支援について協議、合意して立ち上げたセンターのめざしてきた地平を受け継いで、事業を遂行する。

 すなわち、事業利用を希望する者は基本的に「就労を希望する者」として受け止め、「雇用されることが可能」となるよう「通常の事業所」で職場体験や必要な知識・技術の修得を重ね、超短時間の就労(たとえば2時間を3日間だけとか、毎週1時間とか)を含めて多様な就労環境を地域に創出してゆく。
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 また、上述したように、就労A型やB型の利用者についても、「可能」とか「困難」と医療モデル的に決めつけるのでなく、「困難」にしている社会的障壁を打破するために、越谷市障害者地域適応支援事業でめざしてきたような,本人・施設が変わるだけでなく職場・地域が変わることをめざし、週1時間でも地域の職場で働くことを、就労移行支援事業として行えるようめざしてゆく。

 これでおわかりだろう。職場体験や職場開拓、超短時間就労を含む多様な就労支援のネットワークづくりにとって、すいごごカフェ、うんとこしょ、仕事おこし懇談会inこしがや等は、きわめて重要な社会資源となりうるだろう。
 そのためにも、これらの活動をこなすだけではなく、その場を通して、互いの暮らしや仕事を、今後の展望も含めて突き合せてゆくことがとても大事なのだ。
 



 
 


 

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