母里啓子さん講演NO.2 スペイン風邪(大正)と世間 いまと似て

 わらじ市民福祉講座にお呼びした母里さんのお話はまだまだ続きます。今回は、大正期のスペイン風邪のときの騒ぎと、今回の新型インフルエンザ騒動が、基本的にはおんなじだというおはなしです。

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以下、母里さんのお話です。

「流行性感冒―『スペイン風邪』大流行の記録」
 新型インフルエンザが来るぞ来るぞと毎年のように騒いでは、季節性のインフルエンザワクチンをだんだん大量生産して打ちまくり始めた時に、一昨年になるんですけど、「流行性感冒―『スペイン風邪』大流行の記録」という大正年間の資料を古本屋で見つけた人がいて、それを復刻版というか、平凡社の東洋文庫というところで、出版させた本があるんです。実におもしろいんですけれども、今回と同じことが書いてあるんです。右書きのポスターもあります。 「うがいせよ、朝な夕なに」 「手放しに咳をされてはたまらない」などと。

昔も今も うがい・マスク・手洗い
 うがい・マスク・手洗いでしょ、今。何か言わなきゃならないから言っているだけの話で、うがいの効果はありますかって聞くんですよ。あると思います?ウイルスを細胞に吸着させたり、いわゆる感染実験をやって、効くのは30秒です。だから、うがいしなきゃいけないんだったらずっとうがいしてなきゃいけないんです。くっついたら、細胞内に入りこむのに30秒ですよね。それをうがいせよ、うがいせよでしょ。うがい薬とマスクと、シュッシュッとやるテレビの手指の消毒薬、あれがもう売れに売れているらしいですけど。

やっぱり予防接種
 予防注射をしろという意味で「宿のなくなる風邪の神」という言葉があるんですね。この時の予防接種がすごくおもしろいんです。まだウイルスだとわかってません。ときはパスツールの後で、伝染病研究所と北里研究所でインフルエンザの時に喉から菌を採って培養して。そうすると常在菌ですから、肺炎双球菌と、その時にインフルエンザ菌と名前がついちゃったわけです。ヘモフィルスインフルエンザってつけられちゃった。常在菌。今、ヒブのワクチンがそれみたいな形になるわけですけど。常在菌なのに、炎症を起こせばそれが余計に増えていきますから。

空回りの「有効性」大論争
 北里研究所はヘモフィルスインフルエンザ。伝染病研究所は肺炎双球菌。ワクチンを作ります。で、どっちが効いたかというと、ときの二大政党をバックに国会でも大論争をやります。同じです。両方がそれぞれ製薬会社にくっついてね。世界中この時に作られたワクチンの一覧表がえんえんと出てますけど、流行性感冒ワクチンの成分、北里研究所製造・加熱ワクチン、感作ワクチン、ロンドンパークデービス会社製、この本で5ページにわたって、世界中でどういうワクチンが作られたかというのが出ていますから。ことほど左様に、効くわけないですよね、違う菌なんだから。インフルエンザというウイルスはまだ発見されていないし、濾過性病原体と言われたくらい当時の顕微鏡では見えない大きさですから。

マスクの厚さのチェック
 でも、その時にやっぱりマスクを奨励しているわけ。で、そのマスクの厚さのチェックのために吹き付け実験をやって通っちゃうとか通らないとか言って、ここにガーゼは10枚でもだめ、さらし3枚でもだめ。さらじ3枚のマスク?!で、リネン2枚ならなんとか通らないと。リネンのマスクしたら息苦しくてやってられないです。それがウイルスよりはるかに大きい細菌においてもだめだから、マスクはやっぱり今言っているようにエチケットというか、人に散らさないために、かかっている方が自分でするものであって。

ワクチンの効果は定かではないと
 ワクチンのどこが効いたとか、どこで効いたとかいろいろ書いてあって、でも最終的に総合評価としてはワクチンをやったところでも流行しているから、ワクチンの効果は定かではないと書いてある。実におもしろい話になっているんですけど。

死亡に関しては本当に階級的な病気
 ただこれはちょうど日本が台湾を統治下に置いていた時代なので、台湾のデータが割に詳しく載っています。まだ厚生省がない時代です。内務省、警察管轄で、集めた資料ですけれど。その中で、台湾の流行状況が載っていて、外国人、内地人、本島人、蛮人って書いてある。高砂族、蛮人。そこが死亡率が一番高くて、感染率が一番高い。もう死亡に関しては本当に階級的な病気だというか。今度の新型も大量に死んだというのは、もとがメキシコ発ですけれども、そこでのきちんとしたデータを見ると、インフルエンザではなくて他のものがいっぱい紛れ込んでいるし、やっぱり貧民層のところでバタバタといろんなことが起こったのが過剰に報道されて。

WHOも乗っかった「予行演習」?!
 今回はアメリカの死者の1というのが最初のきちんとしたデータのようですけれど、メキシコ発の新型が大変だという形で世界中を駆け巡って、それにWHOも乗っかって、フェーズいくつだとか言って新型の強毒性のものができた時の備えにしてたんだか、作り上げてたんだか。それに乗ったもんだからこの騒ぎになってしまったのかなと思ったりしますけど。
 曰く、強毒が来た時の予行演習になったと言う人がいるんですね。これを予行演習にされちゃたまらないと思うんですけどね。強毒のものが出てきたらやっぱり同じ騒ぎをするんでしょうか。どうするつもりなんでしょう。

講演記録つづきもご覧下さい
http://yellow-room.at.webry.info/201002/article_4.html

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この記事へのコメント

ちゅうこ
2010年02月02日 22:32
講座のお話を載せて頂いてありがとうございます。
またあらためて考えさせられました。

先日の東京新聞に「新型ワクチン 一転 乳児にも解禁」「まるで在庫処分」という見出しの記事がありました。
厚労省のホームページに「(1歳未満は)免疫をつける
ことが難しいため、接種は推奨されませんが、有益性と
リスク(危険性)を十分考慮した上で接種を行なうことは差し支えありません」と書かれているそうです。
一国民が判断するには情報はあふれ、どれが正しいのかわからなくなりそうです・・・一人でなく、みんなで考えられる場が必要なんだなと市民福祉講座のような場の大切さを思いました。

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