おかしいぞ?新型インフルエンザ報道 その3

朝日新聞10月10日号の「私の視点」に、元公衆衛生院感染室長の母里啓子さんが、次のように書かれていますので、ご紹介します。

私の視点 母里啓子(もり ひろこ) 元国立公衆衛生院感染症室長

ワクチン接種は慎重を期して

 画像19日から新型インフルエンザワクチンの接種が始まる。国立公衆衛生院や横浜市保健所で、予防接種にかかわってきた立場から先月、新型インフルエンザ市民対策会議を立ち上げ、接種に慎重を期すよう、厚生労働省に求めた。

 疫学者からみればインフルエンザワクチンは予防接種の中で最も効かないものの一つだ。インフルエンザウイルスはのどや鼻の粘膜に付き、そこで増殖する。一方ワクチンは注射によって、血液中に抗体を作る。のどや鼻の粘膜表面に抗体ができるわけではないので、感染防止効果はない。

 重症化を防ぐかどうかについても、大規模な疫学調査はこれまで行われていない。グル-プ内で接種者と非接種者の重症度を比べた論文は複数あるが、結論はまちまちだ。小児の脳症も高齢者の肺炎も、インフルエンザで体力が落ちたところに、解熱剤の使用や食物の誤嚥、細菌感染などという別の要因が加わって起こるもので、ウイルスが脳や肺で増殖して起こるのではない。

 インフルエンザウイルスは猛スピ-ドで変異する。同じ型でも流行開始時と半年後では全く違う株になっている可能性が高い。ワクチンで初期のウイルスの血中抗体価が上がったとしても、変異したウイルスがのどや鼻に付けば、感染や発症は避けられない。

 以上の原理は新型インフルエンザにも同じようにあてはまる。健康な人ならば、新型インフルエンザにかかっても、死ぬことはまずない。かえって強力な免疫ができる。感染しても症状がでない「不顕性感染」も多い。地域や学校ではやったら、症状が出なかった人も抗体を持っている可能性が高く、そういう人にワクチンは必要ない。

 効果が証明されていないにもかかわらず、重い副反応が出やすい妊婦や幼児にまでワクチンを勧める厚労省の方針に危機感を覚える。かつて社会防衛のために、健康な学童にまで強制接種し、多くの副反応被害を出した愚を繰り返してはならない。今でも毎年、ギランバレ-症候群や脊髄炎などの重篤な副反応が厚労省に報告されている。7千万人への接種は、大規模な人体実験に等しい。接種対象が広がれば、それだけ副反応の被害者は増える。臨床試験の結果を待たずに、妊婦や幼児への接種、季節性と新型の同時接種などを「問題ない」と言い切るのは危険だ。

 全国予防接種被害者の会では「元気な子どもを予防接種に連れて行った私が悪い」と自分を責め続けている親の姿に、毎年出会う。この悲劇を繰り返さないためにも、不要なワクチン接種といたずらな勧奨をしないことと、接種後の副反応調査、幅広い被害補償を国に求めたい。 (朝日新聞 10月10日)

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