おかしいぞ?新型インフルエンザ報道 その5

「インフルエンザはかぜじゃ」  

画像母里啓子さん(元国立公衆衛生院疫学部感染症室長)が横浜の保健所長だったときに、厚生省が「インフルエンザはかぜじゃない」というポスターを配布してきたので、「ない」のところを見えなくして、「かぜじゃ」として、衛生局に貼っておいたという話を書かれている。

  インフルエンザ=流行性感冒 

インフルエンザは以前「流行性感冒」と呼ばれていた。「感冒」とはかぜのことだ。かぜとは、せき、鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどの上気道炎を主とする、ごくごく一般的な病気。寒く、乾燥する冬に多いので、夏は「夏かぜ」という。ほとんど誰もがかかる病気である。

 なぜ冬にかぜはつきもの? 

 寒いとからだの抵抗力が低下するし、乾燥すると粘膜の防御反応が落ちるから、ふだんは病気を起こすことなくのどや鼻にいる細菌なども急に増えて、炎症が起きたりする。ただ、熱は抵抗力を発揮するために必要だし、鼻水や痰も細菌や壊れた白血球を外に掃き出すために必要だ。

 なぜインフルエンザが流行するの? 

 「流行性」というのは、「うつりやすい」ということで、これは都市化によって、学校、職場、交通機関、大型店といった閉鎖的な空間に多数の人が集合したことで、ウィルスが伝播しやすくなったことによる。

 うつることは防げないの?  

 かぜを起こす細菌やウィルスはたくさんある。そして、冬はみんなが多かれ少なかれ、かぜをひく。うつるときは、みな多かれ少なかれうつる。症状が現れなくても、実はうつっている。

 ワクチンを打っても、実はうつる ウィルスは細菌とちがって、「裸の遺伝子」と呼ばれたこともあるように、人の細胞の中で無数の増殖をくりかえし、短い間に変異してゆくから、ワクチンが効かなくなる。新型インフルエンザも例外ではない。

 かぜはうつしうつされてなおせ 

 そもそも、かぜになっても、ほとんどは4、5日で軽く終わる。だから、「かぜはうつしてなおせ」と言われる。終わると免疫ができている。みんながうつって、みんなに免疫がゆきわたるにしたがって、ウィルスはおとなしくなる。「かぜはうつしてなおせ」だ。

 薬やワクチンはは・ん・そ・く 

 そうなるためには、きちんとうつって、きちんとステップを踏んでかぜをひくことが大事だ。そして、あまり薬を使わず、ワクチンも使わず、「寝てなおす」のが原則だ。

 薬で一時的に熱を下げてハードな生活を続けていると、「かぜをこじらす」。上気道で終わらず気管支炎にもなるかもしれない。解熱剤でインフルエンザ脳症になることも知られている。

 暴走する新型インフルエンザ報道 

 「かぜは万病のもと」といわれる。「かぜ」の症状の背後に重い病気がかくれていることもある。だから経過をきちんと見ることが大事だが、こじらせてしまうとわかりにくくなる。 新型インフルエンザ報道の過熱は、その反対の方向に暴走しているように見えてならない。

 いたずらに恐怖をあおり、タミフルやワクチンなしでは生き残れないかのような誇大宣伝。新型インフルと季節性インフルのワクチンを、いっぺんに両腕に打たれる子供の映像。学校での集団接種に踏み切った自治体のニュース。

 報道関係者やーい 

 まさに「その4」で紹介した月刊わらじ11月号「小さな新聞」に書かれているように「インフルエンザの流行もさることながら、インフルエンザの報道が猛威をふるっている。」という言葉の通りだ。良心的な報道関係者はどこにいるのか?
 
 

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