共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 共同連マラソントークIN埼玉 地域で働いて地域を変える 報告

<<   作成日時 : 2016/05/22 23:39   >>

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5月21日(土)、共同連マラソントーク「地域で働いて、地域を変える」IN埼玉に参加。

 司会は大阪・箕面市の「ちまちま工房」代表・永田さん。いただいたおしゃれな名刺には「カケラをあつめてカタチをつくる」とある。DTP事業、企画事業、共働事業を行っているというから、この名刺も自社製のよう。企画事業には会議ファシリテーター等とあるから、今日も業務の一環なんだろうか。共働事業としては、「おとうふ工房ちまちま」。昔からのお豆腐屋さんに修業に入り、事業の後を継いだと書かれている。アンテナショップかっぽと関わりのある秩父の梅干し屋さん・山叶本舗のケースと似ている。
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 開会挨拶は、埼玉障害者市民ネットワーク野島代表。1987年に埼玉で共同連大会を開いたことに触れた。あの時は、その大会のために仮設事務所を開き、共同連から専従職員のTさんが来て泊まり込み、実行委員会を20回も開いて準備した。会場の一角にお化け屋敷を作るなど、前代未聞の大会だったんだろうなあ。

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 帰宅後、「ネットワーク情報」のバックナンバーをめくってみた。NO.24に報告があった。若き日の斎藤事務局長の写真も載っている。

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 さて、今日は冒頭、熊本地震における仲間たちの状況と題して、共同連・斎藤事務局長より特別報告。共同連の仲間であるくまもと障害者労働センターの理事長・花田さんの自宅も倒壊する中で、花田さんの職場である熊本学園大学で多数の障害者を受け止めていることや、被災地障害者支援センターくまもとが立ち上がり、障害者労働センターの倉田代表と以前内閣府の障害者制度改革推進室長を務めた東さんが共同代表になったことなどが報告された。
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 直接現地に行ってきたわっぱの会・羽田さんから補足。花田さんが熊本学園大学で「ここは福祉避難所ではなくインクルーシブの避難所」と言っていたことや、全国的な障害者団体が自分のネットワークに所属する障害者にはしっかりと支援している半面で、そのネットワークに所属しない障害者、手帳もサービスも受けたことのない障害者等が切り捨てられてしまうことも踏まえ、被災地障害者センターとして毎日10名ほどのボランティアが巡回訪問等を行っているという。
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 各地からの報告トップは「新座市・キャベツの会の運動」:木村さん。同じ埼玉にいながら、久しぶりの再会。「職場参加」の取り組みは、「共に学ぶ」の延長にあることを、キャベツの会や地域活動センターふらっと、新座市障がい者就労支援センター、教育の欠格条項をなくす会などの経緯を報告しながら述べていた。「共に働く」を、障害者とその周囲の関係にとどめることは、「同等な権利」を追求しつつ結果として「分ける」ことを容認することにつながらないかと。そこから地域の職場に入って行こうと「職場参加」に取り組んできた。だが、その「地域」自体、さまざまな困難を抱えた人々の生活・労働から成っており、若い頃から障害者と分け隔てられて生きてきた人々は高齢になり障害者になるとどう生きてよいかわからなくなっている。「少子高齢化社会」が問題視されるのも分け隔てられてきた結果だと語る。

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 上は、1997年の「ネットワーク情報」NO.24で共同連埼玉大会の総括として、当時の木村さんが述べていたこと。障害者自立生活が障害者と介助者だけの「孤立生活」になってゆく、そのことに対して、地域の中で役割を担う意味での「共に働く」ことの大切さにふれている。

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 続いて、「あしたや共働企画の取り組み」:長尾さん。昨年11月に職場参加をすすめる会のワンデイツアーであしたやを訪問した。あしたやとすぐ近くのあしたやみどりで買い物し、その並びにある多摩ニュータウンまちづくり専門家会議のすくらんぶるルームにも立ち寄り、すぐ近くに障害者が働くパン屋さんもある風景の中に立って思った。「ミネルバの梟は夕暮れに飛び立つ」と。

 長尾さんは、「多摩の地域性」と言う。それが「共に働く」のスタートの土壌だと。発足は「たこの木クラブ」のだれもが地域の中で「共に遊び」「共に学び」「共に暮らす」活動から。共同購入品の配達から公民館の売店、そして団地商店街へ。地域が年輪を重ねる,その流れに沿って遷移してきた感じ。
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 そして、わが職場参加をすすめる会から日吉さんが登壇。彼女の話も、もう一つの「ミネルバの梟」。職場参加をすすめる会は、新座の木村さんが語った「職場参加」を、2004年以降、新座が一定の頓挫に見舞われた後も、継承して取り組んできた。市就労支援センターという公的な窓を開くことにより、「就労」のハードルをどこまで下げられるか、それでもクリアーできない人の職場への参加をどのように進めるか試行錯誤してきた。その受託が昨年5月末で終わり、就労・職場参加していった人々の相互交流と地域の他の人々との出会いをベースに、職場・地域を共に生きる場に変えてゆくための広場づくりに取り組んでゆこうとしている。
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 続いて、地域活動支援センターパタパタ施設長・吉田さん。そもそもは何も制度がない中、家の奥から出てきた重度障害者達が地域の他の人々とかかわり合うために、団地内に露店を出したことがはじまり。そこから地域の中から介助を作るためのケアシステムわら細工やリサイクルショップぶあくを立ち上げたが、初心に戻りそれらが合体してNPO法人共に生きる街づくりセンターかがし座を立ち上げた。その日々は予定調和の世界ではなく、この会場に来ているOくんが先日道端の自動販売機を壊して金を奪い、警察に留置されるといった事態も生んだ。吉田さん自身、電動車いす使用の障害者で他人の介助を受けて一人暮らししているが、自立支援法で分断された日中活動、居宅介護、生活支援、そして就労・雇用といった多次元にされた暮らしの営みが重なり合うことで、不協和音の世界の中でごちゃごちゃと生きている報告。
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 最後の報告は、ワーカーズコープ・埼玉西部地域福祉事業所の須賀さんと駒村さん。前に(一社)埼玉障害者自立生活協会で、所沢の森の102工房の報告を聞いたことがあるが、二人はそこから新たに誕生した森のとうふ屋さんの手作り菓子工房という就労B型施設の所長と利用者のペアらしい。駒村さんは、道が覚えられない、計算ができないというハンディがあるが、お客さんに計算してもらうなどして引き売りをしており、その姿を地域の人が見て応援してくれている。店の場所はシャッター商店街であり、開店してくれてよかったという声をもらっている。とはいえ、採算の面からは引き売りをやめたほうがという意見も強い。また、協同労働という皆が出資して労働者であるとともに経営者でもあるという関係の中で、就労継続B型という職員と利用者がはっきり分かれた制度活用をどう考えたらよいか悩んでいると須賀さん。
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 以上で報告を終わり、企業組合根っこの輪・代表理事の白杉さんがコーディネーターで討論。白杉さんの切り口はシンプルで、なんだかんだいっても、障害者は出来高払いの工賃で障害のない者は生活を前提とした給料という構造をどう考えるのかという一点。

 共同連の原点であり、埼玉の運動でも常にこの提起を念頭に考えてきた。その上で、そこに徹しきれない要素が多く浮上する中、職場参加として地域総体に問題提起してゆくことにシフトしてきた歴史がある。あしたやでは、自立支援法の就労継続B型になった時、それまでの同一賃金(時給)をひき継いだうえで、制度に合わせて「職員」には手当を加算する形をとり、初心を刻みこんだ。

 日吉さんからバトンを受け、私も少し話す。「財布を一つに」との合言葉で始まった共同連の運動は今も必要なインパクトである。だが、共に働く場での問題だけでなく、障害者雇用、就労A型が拡大し、「多様な就労」の名の下で地域・職場に参加することを通し、分断・孤立させられてゆく状況がある。共同連の社会的事業所づくりは生活困窮者を含めた協同組合を認知させてゆく運動だが、そのように組織化されていない人々が地域でつながってゆくことの重要性に触れる。

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 上はやはり1997年の共同連埼玉大会後の「ネットワーク情報」NO.24。私が同大会の人権分科会の報告を述べているページ。子殺しや親殺しにまで追い詰められている状況を、当時アメリカでADAができ「日本版ADA」が論議されてる中で、子どもや親それぞれが、地域で育ち合う友達や愚痴を言い合う同僚などとの関係の中で一緒に考えてゆく必要があると発言したことが述べられている。それは、いまでもそう思う。あらためて、共同連とのごくまれなかかわりの中で、いろんなことを考えさせられてきたんだなと思う。

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 静岡の薩川さんは、共同連の理念を掲げながらも、現実には一般の就労継続B型と同様下請けの下請けの下請けといった作業を行い、職員と利用者は明確な差があると述べつつ、職員たちには通所の現状を固定化せず一般就労への支援を強めるよう指示していると語る。視覚障害者の薩川さんは初対面だが、どうやら97年の共同連埼玉大会の時のTさんや市議を務めた野崎さんとトリオで、70年代にひまわり労働センターを立ち上げた人物らしい。
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 最後に堀代表がまとめ。私の話にも少しふれ、「多様な就労」という形で社会参加を通して分断・孤立させられてゆく状況に対して、地域の側から困窮者等を含めた共に働く動きを作ってゆく、社会的事業所法制化の必要などが述べられた。

 そんなごちゃごちゃした話ができたことが、共同連のいまの懐の深さであり、そこが大事なんだと、終了後の懇親会で長尾さんらと語り合う。この懇親会がなおさらに面白かった。

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