共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 分け隔てられた人と人が再び出会うまでー荻原さんの卒業を祝う会

<<   作成日時 : 2016/03/22 08:34   >>

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荻原正男さん卒業を祝う会に出席。荻原さんのことは、2012年4月にこのブログ(共に学び働くー『障害』というしがらみを編みなおす)で、「特殊学級から半世紀後のリベンジ Oさん定時制高校合格」と題して書いている。そのOさんのこと。
http://yellow-room.at.webry.info/201204/article_2.html
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 その会で司会者から「ひとこと」を振られ、「お祝いが苦手な性分」と断りつつ、荻原さんが埼玉県の特殊学級生の草分けであり、いわば特殊教育の動く歴史資料といえるから、ぜひ次世代にその経験を継承しておくことが大事などとしゃべる。自分自身も直近のことはみな忘れているが、昔のことはますます鮮やかによみがえっている。そんな身辺状況を織り交ぜた。
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 会の終わりに荻原さんが高校生活の4年間を語った。沖縄をはじめ高校から出かけた全国各地の見聞について、こまごまと語られた。「直近のことはみな忘れている」という私流の感覚とは異なる、ボリュームたっぷりの語りだった。その語りを聴きながら、荻原さんの「特殊学級卒業生」として生きてきた半生を思った。

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 かってそのブログに書いた荻原さんの語る小・中学校時代ー
 「小学校3年の2学期に、普通学級に戻れるよと言われて特殊学級にうつったこと、いつ戻れるかと期待してたけど戻れなかったこと、先生が変わったら全く勉強を教えてくれなかったこと、中学校では、植木屋でのみずやり、竹細工、長靴の加工、などなど毎日作業ばかりだったこと、九九も途中までしか教わっていない、英語は全然やっていない」
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 そして、荻原さんは語らないが、特殊学級の卒業生たちのその後の人生はどうだったか。
 やはり前にこのブログで紹介した戸田市の特殊学級担任だった権田文雄の著書「特殊学級卒業生は、いまー追跡ルポ」(株式会社創世記;1979)より。
 「『特殊学級に行ってよかったと思うか?』私は別れ際に質問した。彼は何しろ特殊学級ではお山の大将だったのだから、あるいは彼の口からは、あのころがいちばんよかった、という言葉がきかれるのではないかと、私は考えていた。
 だが、彼は予想もしなかった言葉を吐いた。たしかにそれは彼の真情にまちがいなかった。
『だめ、だめ、あんなところ。いいわけがないじゃないの。先生、まだそんなことしてるのか、はやく止しなよ。ぼくが転職ばかりしてるのは、先生の責任だぞ。こんどは誰も特殊学級のことを知らない遠いところへ行って就職するんだ。ビクビクするのは、もうたくさんだからな』」
 権田は書いている。「彼らの現在を知り、報告することは私の義務だ。まちがったことは、まちがったと公然と声に出して言う必要がある。」と。
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 しかし、そうやってまちがえられた本人はどうなのか。荻原さんはまちがえられた人生行路を歩まされて高齢になり退職した。そして、たまたまデイケアわくわく(現在は農⦅あぐり⦆)の利用者となったことが縁で、どの子も地域の公立高校へ・埼玉連絡会と出会ったのだった。
 上の写真は、2012年3月、定時制高校に合格したことを、埼玉障害者自立生活協会の事務局会議で報告する荻原さん。
 ほんとうに偶然の重なりにほかならない。ロートレアモンの「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」としか言えない。

 今日の席には参加できなかったが、高校の教員たちから荻原さんを送るあたたかい言葉が寄せられ、読み上げられた。荻原さんは、それらも含め、すべての言葉に対し、頭を垂れて受け止めていた。「顔を上げて!」と時折り声をかけられる時以外は。その荻原さんのしぐさに、これまでの人生が凝縮されていると感じる。そうやって生き抜いてきた。ひっそりと闘ってきた。

 そんな荻原さんが見沼福祉農園のほうれんそうに託した思い。そのことばに農園仲間の若者が曲を付けた。
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 あらためて、人と人が分け隔てられるということを考える。分け隔てられた同士が再び出会う回路を考える。そんな契機を与えたくれた今日の集まりに感謝。

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