共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 差別とせめぎ合い地域で生きる―冬の中に浅い春 ある日の世一緒

<<   作成日時 : 2016/02/06 12:59   >>

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5日(金)は午前中、インターネット事業団の飯島さんに来ていただいて、世一緒のvistaがサポート切れのためwindows10への切り替え作業。

 昼食は一軒おいて隣に秋から開店したサルーテで。入ってすぐの壁に「橋本克己ミニギャラリー」を設置していただいている。サルーテは、世一緒障害者スタッフだったKくんも働くめん製造販売会社・クリタエイムデリカが運営するカフェレストラン。
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つい先日、上田知事が「とことん訪問」で見え、その写真がレジ横に掲げてあった。
 ちなみに、県ホームページにはこうある。
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 社長 「当社のために長年勤務してくれた社員が、定年退職後も生き生きと働くことが出来る場所を作りたいと思い、開業しました。店内スペースを地域の皆さんに貸し出し、シェアすることでコミュニティをつくっていきたいと考えています。」

知事 「元気に働いているシニア世代の皆さんの姿を拝見して、このカフェの意義について理解することができました。今後とも、皆さんの知恵やアイデアを活用し、地域に根差したカフェとして成功されることを期待しています。 」
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 午後、世一緒スタッフたちは、来週火曜日の越谷・水辺の市のチラシを、3チームに分かれてポスティングに行く。水辺の市は世一緒から徒歩3分の市役所東側・葛西用水ウッドデッキで毎月開かれる。世一緒は、そのチラシのデポ地点にもなっているので、今日も3団体がチラシを受け取りに見え、ついでにあれこれ情報交換など。
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 3時から、市役所向かいの中央市民会館に、山崎理事、ファシリテーター・日吉さん、事務局長・私の3人で出かけ、越谷市の差別解消法に基づく対応要領の団体ヒアリング。同法による基本方針は国が策定し、それを下敷きに各省庁の職員の「対応要領」及び各大臣から関係事業者向けの「対応指針」が既にパブコメも済み定まっている。
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地方公共団体は「対応要領」が努力義務だが、埼玉県は市町村に策定を呼びかけているという。市の素案は厚労省の「対応要領」とほぼ同じだが、特に「不当な差別にあたる事例」、「合理的配慮にあたる事例」についてオリジナルな具体例を加えたいようだ。

 NPO法人障害者の職場参加をすすめる会として、その事例は既にアンケートに列挙しておいた。ただ、具体例といっても、「要領」なので、いろいろな分野・状況に適用しうる表現が求められる。

その一部を示せば、以下の通り。

〇素案の具体例では、「障害を理由に窓口対応を拒否する」とありますが、「窓口対応」に限定せず、「人的体制、設備体制が整っており、対応可能であるにもかかわらず、障害を理由にサービスの利用や各種機会の提供を拒否すること」としていただきたい。
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〇「事務・事業の遂行上、特に必要ではないにもかかわらず、障害を理由に来庁の際に」という部分に関して、以下のように修正、補足していただきたい。
・抽象的に事故や危険が想定される等の理由に基づいて、保護者や介助者の付添いをサービスの利用や各種機会の提供の条件とすること。

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・サービスの利用や各種機会の提供にあたって、他の者と異なる手順を課すこと(仮利用期間を設ける、他の利用者や関係者の同意を求めるなど)

・正当な理由なく、本人またはその家族等の意思(障害者の意思を確認することが困難な場合に限る)に反したサービスや各種機会の提供を行うこと。
   
・各種試験等において合理的配慮を受けたことを理由に、当該試験の結果を評価の対象から外したり、評価において差を付けたりすること。

〇「意志疎通が不得意な障害者に対し、絵カード」の後に「や写真カード、コミュニケーションボード、タブレット端末等のICT機器の活用、視覚的に伝えるための情報の文字化、質問内容を『はい』または『いいえ』で端的に答えられるようにすることなどにより」を追加し、「意志を確認」の後に「したり、本人の自己選択・自己決定を支援したりすること」を追加していただきたい。
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 〇「比喩表現が苦手な障害者に対し、比喩や暗喩、二重否定などを用いずに」の後を「具体的な言葉を使って説明すること。」と修正し、「たとえば、サービスや機会の提供を受ける際の『手続』や『申請』など生活上必要な言葉の意味を具体的に説明して、本人が理解しているかどうかを確認すること」を追加していただきたい。


念頭には、相談での振り分け・強制、付添の強要、支援による分断…他、教育、労働、福祉他の分野での枚挙に暇なき体験あり。
 上の写真は、世一緒での本人たちからのそうした体験の語りであり、さらにその上2枚の写真は、市内の小学校で、それぞれに親の付添を強いられたり、念書をとられたりといった差別とせめぎあいながら、共に学んできた子ども達の記録。

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 日吉さん((上の写真)は、役所でも街でも、自分の話を聞かずそばにいる介助者に話しかけるという対応をされてきたと語る。また、子ども時代は遠くの養護学校に行かされたことや、後に地元の学校に行こうとした時も「この子の為にならない」と言われ、それでも入って行く中で学校が変って行った体験を語る。さらに、会社で働いた時、自分に聞かないで「配慮」といって押し付けられてきたことも。
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 山崎さん(上の写真)は、親の立場から、障害の状況により生きるコースが細かく分けられ、家庭と施設・職場を往復している状況を変えなくてはと語る。

 私は、ここ10数年、教育、労働、福祉分野での支援施策が急速に拡充した半面で、「社会的負担増」、「生活・生命の質」、「非障害者の人権」等を切り口とした新たな優生思想が拡大していることを指摘し、市職員がそうした世間におもねず、共に生きる地域施策をしっかりと進める足場として、対応要領を活用してほしいと話す。

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 なお、前記のアンケートには、以下のような意見を書いておいた。

 越谷市は、障害者福祉の施策に関して、先駆的な取り組みをして来たと考えますが、これまでの主要な施策は「障害者の為に」という枠組みであったと思います。今後少子高齢化の深まりの中、障害者自身が社会資源であるとの視点に基づく「障害者と共に」の枠組みへのさらなる一歩が問われていると考えます。

 今回、障害者差別解消法を機に、この一歩を踏み出してゆく必要があります。ここに記した意見は、たんなる障害者の権益拡大の発想ではなく、さまざまな異なる立場の人々が切磋琢磨しながら共に生きる地域をきりひらいてゆこうという立場からのものと受け取っていただきたいと考えます。


 気になるのは、小・中学校について、県は地方分権だから市町村だと言い、市は教員は県職員だからと押し付け合っている雰囲気なので、空白地帯になりかねないこと。また、地方協議会を越谷市は自立支援協議会内の専門部会としてというが、障害福祉サービス関係者が主の場で、教育や労働他の案件にきちんと向き合えるのかということなど。
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 ヒアリングを終え、世一緒に戻ると、はなやかな空気。近々、駅前でネールサロンを開業するというNaomi Kawanabe さんが、一人芝居等をやるたこ焼き前川さんの紹介で見え、世一緒スタッフたちにネールアートで花々や動物たちを描いてくれていた。左から二人目がNomiさん。
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 世一緒スタッフの大半は、企業で働いた経験があり、手帳の上では障害が「軽い」と見られる人が多いが、だからこそ学校や職場でいじめやシカトを受け、孤立し追い込まれてきた。

 過去形ではなく、これからもそうした差別の中に入って行こうとしている。そんな体験や感覚を少しずつ語り、書き、伝えあいながら、ポスティングをしたりしておずおずと街に生きている。

 世一緒は道端のベンチであり、階段の踊り場だ。そこを住処とする者はごくごく例外であり、往来の途中で一息ついたり、戻ったりする地点である。

 孤立無援であることに居座りながら。

 そして、今日はみんなの指先に一足早い春が!
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