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zoom RSS 埼玉障害フォーラム 権利条約第19条「自立した生活」について考えた

<<   作成日時 : 2015/03/12 12:40   >>

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埼玉障害フォーラム(SDF)学習会「国連・障害者権利条約の批准1年〜障害者権利条約を私たちのくらしの中に位置づけよう〜」に参加。花壇整備から直行なので、作業着のまま。

 やどかりの里理事長・増田さんの司会で始まる。森田代表は、震災で逝った人々への黙祷をもって挨拶に代えた。そして基調講演「障害者権利条約の批准から1年〜私たちのくらしの中に位置づけよう」と題し、日本障害フォーラム幹事会議長・藤井克徳さん。

 藤井さんは、「なぜ権利条約を学ぶのか」について、豪華客船タイタニック号を連想して考えようと述べる。「障害者への支援が仕事なのに…なぜ難しいことを?」と。この問いから、この場は支援に関わる職員たちが多いのだなとわかる。藤井さんは、それぞれの船室を居心地よくすることの大切さを踏まえたうえで、なおかつ船全体の航行の安全いかんでは個々の努力も無に帰すのだと説明する。明快だ。
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 東日本大震災で障害者の死亡率は障害のない人の2倍に達した。それは、かってナチスが知的障害者・精神障害者を多数抹殺し、それがユダヤ人虐殺への序曲だったこと、日本でもお国のために戦争に行けない障害者は「ごくつぶし」として生きる価値がないとみなされたことと「地続き」だと藤井さん。
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 権利条約第19条「自立した生活及び地域社会への包容」の(a)は、「障害者が他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する権利を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」。この公定訳の「生活施設」は適切でなく、「生活様式」だと。

 また(b)は、「地域社会における生活及び地域社会への包容を支援し、並びに地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な在宅サービス、居住サービスその他の地域社会サービス(個別の支援を含む)を障害者が利用する機会を有すること」。ここでも公定訳が「個別の支援」としているのは、「パーソナル・アシスタンス」。
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 藤井さんは、施設からの地域移行の柱としているグループホームであっても、複数で固まって住むことを強いられるという意味では、この第19条に抵触すると述べる。
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 基調講演の後、「地域で暮す」と題し、二つの報告。(社)埼玉障害者自立生活協会・野島久美子さんは、特別支援学校を卒業した後施設入所を経て家に戻り、団地で独り暮らししながら電車で県立高校定時制に通学した時のことを映像を交えてふりかえる。介助者を入れて地域で暮し、運動の中心にもいた彼女にとって、一人で電車通学し、年の離れた生徒たちの手を借り、すったもんだしながら学んだ日々はとても楽しかったと。
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 もう一人は、障害者支援施設 大地の職員・植村勉さん。「自己決定を読み取ることが困難であった重度障害者とのコミュニケーションの在り方・課題」と題して。入所者仲間の助言も受けながら、職員が変り、その変化を受けつつ本人も含め新たなコミュニケーションが創られてゆく。大切なポイントとして、「多くのバリアを除く」、「皆と話すことが望まれるような環境づくり」、「見通しのもてる、共通した情報のある生活」、「職員に求められる集団性、専門性、継続性」、「重度障害者の不可欠の権利である」と述べられた。


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 植村さんの報告を聞きながら、入所施設ではないが家の奥でコミュニケーション手段も機会もほとんどなかった当時の橋本克己画伯のことを考えていた。置かれた場のちがいこそあれ、植村さんの話と共通することは多い。その上で、あえて付けくわえるとすれば、そうした権利意識に裏付けられた生活様式からも解放される機会を求めるのが人間らしさであり、その余地があることこそ、「他の者との平等を基礎として」ということではないか。

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 事実、橋本画伯は、ほんとうに困った時以外は、筆者の介助、支援を避ける。眼球の動きや息遣い等により、気持ちを見透かされ、寸時の対応をされることが気に食わない。初対面の人とのすれちがいの微妙な味覚こそが、街で生きる醍醐味なのだ。野島久美子さんが、介助者を伴わずに通学し、遠足に行き、自分より若い教員と「のじま!」「はいっ」といった応酬に生きる実感を得たのも同様だろう。

支援制度が乏しくとも、とりあえず地域の学校や職場、近隣の関係の中に入って行き、周りとせめぎあいながら「合理的配慮」を切り拓き、共に生きてゆく。既存の支援を運用し、加工しながらでも。

 支援を充実させることは、同時にその支援からの解放を可能にする環境を拓くことでもなければならない。かってヨーロッパのピープルファーストと交流した時にも、そのことを痛感した。 →http://yellow-room.at.webry.info/201202/article_1.html

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