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zoom RSS 総合県交渉2014―学校・職場・地域現場での差別、かんちがい、すれちがい 県と共同研究しよう

<<   作成日時 : 2014/08/31 16:37   >>

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埼玉障害者市民ネットワークの「総合県交渉」が、8月27日、28日の二日間にわたって行われた。87年2月6日に初めて行われたときのタイトルは、「ひとは特殊教育と福祉によってのみ生きるものにあらず」。以来、毎年、四半世紀余りにわたって続けられてきた総合県交渉。

参考:
http://yellow-room.at.webry.info/201009/article_1.html
http://yellow-room.at.webry.info/201009/article_4.html
http://yellow-room.at.webry.info/201208/article_1.html

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この中から、地域の身近な人々の中で暮すための介助、住まい、活動の場、支援センターなど県独自の施策が生まれ、県単事業廃止の嵐をくぐりぬけ、現在もかろうじて維持されてきた。
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どの子も受け止める地域の公立高校をめざす年間を通した教育局交渉や県庁内アンテナショップかっぽなども、総合県交渉からの産物。
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桶川で生活保護受給の高齢者がエアコンを買えず亡くなった事件の時も、この総合県交渉で地元市議が県に問いかけたことによって、保護行政の方針を転換させた。

しかし、世紀末から今世紀への曲がり角で、地方分権一括法をはじめとして、県の力が弱まる。
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公共事業民営化の流れと併せ、多くの施策が県をトンネルに、市町村を実施主体とし、市町村はそれを法人・企業に投げる。たしかに障害者団体が運営する介助派遣や通所活動の場、支援センターなどが事業所として認知され、これまで以上の予算が得られるようにはなったが、これまでごちゃごちゃと一緒に生きてきた関係が、利用者と職員という立場や障害の種別・程度によって、細かく分けられる。

自治体・住民が一緒に育てて来た施策が消滅させられる流れに対し、この総合県交渉でかろうじて食い止めて来た。

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障害のある人、そこに関わる人、それぞれがあたりまえに生きてゆけるように、公的施策を強化してゆくことは必要だ。しかし、同時に、障害者でも支援者でもない地域のさまざまな人々が、日常のくらしや仕事の延長で関われる、地域に根差した自治体独自の施策も大いに必要だ。

国による公的保障にのみ支えを求めていると、今後の有為転変の社会状況をしたたかに生き抜けない。

全体としては、県・市町村が、住民とともに作ってきた施策を廃止し、介護保険や総合支援法の枠組みへの依存をより強める中で、コトバだけの「協働」が空しく響く。ここ十数年の総合県交渉は、「国に要望しています」、「市町村に伝えます」といった、当事者意識皆無の回答がくりかえされていた。
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 そこで私たちが10数年前から提起してきたのは、「暮らし見学会」、「交通アクセス行動」に県職員たちを誘い、現場でいっしょに動きながら考え合うこと。初めは大きなインパクトがあり、当時の県職員の中にはいまだに地域で語り合える少数の人々もいる。しかし、ここ10年足らずで、私達自身も地域でさまざまな事業を担うようになり、かってよりはるかに多くの障害者や関係者が活動に参加しているにもかかわらず、日常的には各地域にへばりつき、ネットワーク合宿や総合県交渉でしか顔を合わせない。総合県交渉では怒りや怨念が噴き出すが、県職員の頭の上を吹き抜けてゆくだけの状況が続いた。

 今年の総合県交渉では、要望に沿ったやりとりだけでなく、私達も県職員たちとともに状況をより広く深く見つめ直そうと、外部から特別出演していただいた。私達自身もそれぞれの現場からのプレゼンテーションをたくさん入れた。
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 反貧困の活動に取り組むほっとプラスの藤田孝典さん(上の写真・中央)には、地域生活の分野の司会をしていただいた。

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埼玉県移送サービスネットワークの笹沼和利さんには、教育の分野の司会を務めていただいた。

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埼玉高教組の羽田亮介さんには、県立高校の統廃合を進め、いわゆる「教育困難校」を切り捨て、「できない子」、「手がかかる子」を排除しながら、そのいっぽうで受け皿としての特別支援学校を増設している動きについて、報告していただいた。


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新座市議の木村俊彦さんには、「職場参加」の発信源だった新座市において、現状は市役所での職場実習が切り詰められ、いまでは各課からもらってきた封入作業などを就労支援センターで実習者とセンター職員がやっている状況になってしまったこと、そして地域に根差した職場実習、就労支援を拡げるためには、企業を退職した高齢者たちに長年の職業体験を生かしてジョブサポーターになってもらう養成研修を提案していることなどを報告していただいた。


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 プレゼンテーションは、グループホーム、生活ホーム、生活サポート、全身性障害者介護人派遣事業、学校教育、人工呼吸器、労働などについて行われた。上の写真は災害時の人工呼吸器用発電機の支給についてのプレゼン。

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上の写真は、生活ホーム入居者が、それぞれヘルパーを入れて、独立した生活を営んでいることを示す一週間の介助表。


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 こうした新たな試みは多少とも県職員たちにとって新鮮に感じられたらしく、今後も私達と共同の研究会に参加したいとの回答もあった。

私は最近物忘れが多く、「働く」のプレゼン用のUSBを自宅のPCに挿したまま忘れ、プレゼンが長引いて、そのぶん会場からの発言時間が短くなってしまい、申し訳なかった。

 強調したことは、養護学校義務化から35年がたち、若者、中年はすべて分けられて育ち大人になってきたのだから、お互いにつきあい方がわからない。だから、共に働く、共に暮らす に取り組むとき、差別やかんちがい、すれちがいを勘定に入れないわけにゆかない、それらを避けるのでなく向き合い変ってゆくことを抜きに「共に」はないということ。その具体的事例をもとに、合理的配慮といわれる関係整備を一緒に研究しようと提案したのだ。


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人々が限りなくバラバラにされ、伝えあえることばを失い、その背後で滅びへのシナリオが進行している(それが原発再稼働、辺野古にもつながっている)現在にとって、少なからぬ可能性を投げかけた「総合県交渉」ではなかったか。これで、今年の夏を終わる。
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