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zoom RSS こんな風に職場をひらく 人と人がひらきあう ― 元障害者スタッフ・Yくんとの再会

<<   作成日時 : 2014/03/01 00:35   >>

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数年前、障害者職場参加ビューロー・世一緒(よいしょ)の障害者スタッフの一人として毎日のように活動に参加していたYくんが、夕方久しぶりに立ち寄った。家庭の事情で家族がバラバラになり、その中の3人が身を寄せ合い生活保護で暮らしている状況は同じらしい。相変わらずツンツルテンのパンツを履いているのは経済事情もあるが、愛着のゆえでもあると思われる。

 特別支援学校高等部卒業時、地元事業所に就職が内定していたのだが、経営不振で内定取り消しとなり、市障害者就労支援センターに相談したことがきっかけで、世一緒とも出会った。世一緒では、商店街等を飛び込み訪問して職場見学・体験の機会提供を打診する「仕事発見ミッション」や、公園の花壇整備、ポスティングなどのグループワークなど、なんでも参加した。そうやって街に出ている間に、近くの教会との出会いがあり、さらにそこでダンススタジオを主宰する人とも出会ったらしい。(下の写真は仕事発見ミッションで訪問したコンビニから出てくるYくん。当時毎日着ていた青いシャツ。)

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 世一緒から徐々に足が遠のいたのは、教会と社交ダンスに通うようになってから。ただ、Yくんは、短いセンテンスを切れ切れに発して話すので、これまで実情がよくわからなかった。 (下の写真は、水上公園で花壇整備作業をする世一緒スタッフたち。「12」の番号が入ったシャツ姿がYくん)

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今日、たまたまダンスができるサポーターのUさんが居合わせたので、Yくんとダンスをしてもらい、写真を撮った。その後、Yくんが、「ブラボー君ブログ」としきりに言うので、ネットで検索して見たら、ダンススタジオを経営する先生がYくんとの日常を綴ったブログがあった。まだ一部しか見てないが、とても面白い。
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その中に、Yくんが突然荒れた、という記述があった。「ブラボー君 心の葛藤」というタイトル。クリスマスパーティーの時にY君に手伝ってもらい、会がお開きになった後、荒れた、理由がわからず心配したが、本人のブログを見て理解できたという。

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あ、Yくんも自分のブログあるんだと言うと、そばでYくんが「そうだよ」と言い、検索方法を教えてくれた。彼のブログの、「今日はクリスマスパーティのお手伝いする。」というタイトルのこの日の記載を読んで、Yくんに月刊わらじ3月号の特集「変わる 変わらない」にぴったりだから、載せていいかなと訊いたら喜んでOKしてくれた。以下。

今日はクリスマスダンスパーティーのお手伝いする
                   
                           Y(越谷市)

 今日はクリスマスダンスパーティーのお手伝いを致しました。そこでメインテーマであるきよしこの夜のワルツを踊って、生徒さんからは大ウケでした。

 そういった点では嬉しかったけど、先生達の踊りをみると如何に俺の踊りのレベルが極端に無力か、まだまだだなと身をもって知らされました。

 更に永年精神的にも身体的にも深い傷がついた状態から未だに癒されないがゆえに、自分では抑え切れない極めて強い孤独感を今でも非常に身をもって強く覚え、感情的になり、そして、泣き崩れました。

 正直俺は上手くなれるかなと盲策してしまいました。

 唯一一つの道としていつものとおりで行けば、これまで以上にダンスが上手く成るには本当の意味で永遠に値する極めて強い軸作りをする必要性があり、全身、全霊、全魂、内面的、更には神霊的に俺自身をイエス様に捧げる気持ちで取り組んで行くべきだなと身をもって知らされました。

 極めて悔しいです。



ちなみに,彼のブログを見たら、上記の日以外はすべて「イエス様」がタイトルに入っている。(上の写真は、世一緒スタッフとして、県庁内福祉の店・アンテナショップかっぽの庁舎内販売に参加したとき、ポーズを決めるYくん。)

それにしてもYくんがブログをもち、日々の出来事の中で感じたこと、考えたことを、こんな風に表現していることに衝撃を受けた。ダンスの先生による「ブラボー君ブログ」にコメントを書き込むようになり、やがて自分自身のブログを立ち上げるに至ったらしい。
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 「ブラボー君」と呼ぶのは、「ブラボーサークル」というダンスを取り入れたエクササイズのサークルの手伝いをYくんがやっているから。どうやら、この手伝いを条件にして、Yくんのダンス指導の料金を割り引いてくれているらしい。いわば、Yくんがバイトしてそのバイト賃金を指導料の一部に充てるかたち。要するに、ダンススタジオという職場をひらいて、Yくんを部分的に働く仲間として受け入れ、職場をこえて一緒に生きている。

ついでに言えば、Yくんが世一緒に毎日のように来たこと、そして今は教会とダンスでほぼ1週間の生活スケジュールを地域で組むに至った奥には、幸か不幸か…とあえていうが、冒頭にふれた「家庭の事情」があったからだと思う。もしも、どちらかの親が、Yくんの世話をしているが将来が不安だ…という状況であったら、すぐ就職が見つからないYくんを街に解放せず、どこかの通所施設でも利用させていただろう。そして、半年ぐらいたったら、Yくんもそこになじみ、将来もここにいるんだという気持ちになっていたかもしれない。親の愛ゆえに、地域から存在が消えた…そんなケースをたくさん見ている。

 両親、きょうだいが、それどころではなく、ぎりぎり自分が今日を生きるのに必死だからこそ、Yくんは街を旅することができた。逆に言えば、数えきれないYくんが地域にいていいはずなのに、現在の制度は公金を費やして、そんな地域のありようを抹消することに精出しているということになる。だから、家庭崩壊と称される状況も、「幸か不幸か」といえるのだ。。(下の写真は、かって埼玉障害者市民ネットワークのちんどんパレードに参加したYくん)

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 月刊わらじ3月号を読むときには、そんな背景があるんだとイメージを膨らませて読んでいただきたい。そうそう、Yくんはこの頃、反原発デモにも参加している。携帯でYouTubeにアクセスし、これが自分だと見せてくれた。3月2日の東京新聞に「電気選べる社会を」 越谷 200人が脱原発パレード という見出しで載った越谷の「さよなら原発in越谷」のデモの記事。そこに添えられた写真の中にYくんの姿が見えた。いちばん右端。
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