共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS ピアサポートによる障害者就労支援から 誰もがピアとなり働き合う街へ (パネル討論報告)

<<   作成日時 : 2013/01/24 00:07   >>

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写真は昨年12月9日に開催された「共に働く街を創るつどい2012」の第1部。「越谷におけるピアサポートによる就労支援」と題し、世一緒ファシリテーターの日吉さんと世一緒の当番を務める障害者スタッフたちが、当番の役割や仕事発見ミッション、グループワークといった全国的にも珍しい行動的なピアサポート活動について報告した。


 共に働く街づくり第2期をきりひらこう 

昨年拡がった人のつながり

 世一緒のピアサポート活動は当会が就労支援センターの運営を委託される少し前からスタートし、その後センターで導入部を担い、世一緒で持続的な取組みとして徐々に積み上げてきた。
 昨年は「協同まつりinこしがや」に実行委員として世一緒のスタッフ数名が加わり、障害の有無をこえた共に働くつながりを広げた。また会としてDPI全国集会、全国協同集会や職業リハビリテーション研究発表会など全国的なつながりの場で発信する機会を与えられた。
このように、昨年は地域の内でも外でも人のつながりが拡がった1年だった。

地域適応支援事業のセカンドステップ

昨年3月には2011年度の越谷市障害者地域適応支援事業の報告交流会を初めて公開で行うことができた。
 これまでは実習した本人、支援パートナーの施設職員等、受け入れ職場担当者とセンターだけでふりかえりを行っていた。昨年は初めて一般の市民、事業主、市役所職員等に参加を呼びかけた。ふりかえりだけでなく、水上公園の業務を委託元である公園緑地協会や独自の社会貢献活動として共に働き共に生きる場を提供している埼玉トヨペット、そして施設から地域で共に働きに出てゆこうと共同受注センターを運営している戸田わかくさ会から講演をしていただいた。

 福祉施設を足場として地域へ出てゆくことも含めて、街の中に多様な働き方を開拓してゆく地域適応支援事業の第2期を具体的に考える足場を築いた。
そして、現在行われている2012年度の地域適応支援事業では、職場実習を経て事業所の就労してゆくことも含め、新たな展開がスタートしている。

共に働く街づくりの第2期へ
 
 共に働く街を創るつどい2012の最後に読み上げられた自治体提言も昨年の実績を反映した新たな内容が入っている。新たな年を迎えみんなで一歩を踏み出したい。

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 障害者ピアから誰もがピアとなる地域へ  

 パネル討論:ピアサポートによる障害者就労支援 その可能性と環境 

昨年12月9日の共に働く街を創るつどい第2部では、越谷の取り組みを踏まえつつ、職場でのピアサポートの現状や課題、そして不登校体験者、市職員組合、事業主という異なる立場でのピアサポートの可能性や課題などについて語り合った。
県、市からのコメンテーターの発言やコーディネーターのまとめも含めて速報をお伝えする(敬称略)。

◇能力の高低に関わらずもっと職場へ

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飛田まり:聴覚障害。会社員。前職は大企業の障害者枠だが仕事がもらえなかった。企業名公表をおそれ雇用したが差別的扱いがすごかった。今の会社は仕事はどんどんもらえる。高学歴の能力高い人を採用しているというが提出される書類はぐちゃぐちゃ。どこが能力が高いのか、みんな同じだ思った。障害者が極少数派だから理解されない。雇用率2.0%にとどめずもっと仲間を増やしたい。

◇実習者を支え職場の人の病気相談も
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塚原雄大:統合失調症。三郷郵便局勤務。三郷市障害者就労支援センターと職場の上司に支えられ郵便局で働いている。実習に来る障害者のサポートをしたり、職場で精神の病気になった人の相談に応じたりしている。


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大野:三郷市就労支援センター。郵便局での職場実習で社会に受け入れてもらった実感を得た人が多い。

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相澤:郵便局の上司。その人の目線で仕事を考えることによって自立を支える。そういう職場を増やしたい。

◇不登校体験者の働く不安を地域で支え合う
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鎌倉賢哉:越谷らるご事務長。学校に行ってないことで、自己肯定感や自信がない子ども達のフリースクール職員。バイトを始めた子どもはコミュニケーション力を求められ辛いという。スタッフの中にもひきこもりの体験者や精神障害の手帳所持者がおり、共に生きる・自分のことは自分で決めるという原則を大事にしている。応援したいと言ってくれる事業所もあり、そこで職場体験した子どもたちは自信を得て帰ってくる。

◇違いを前提に職場・地域で生きる
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清水賢吉:世一緒ファシリテーター。うつ病。2009年に地域適応支援事業の実習をしたことで、会社の都合に合わせる働き方ばかりでなく、自分の都合に合わせて会社に提案するやりかたもあると気づいた。世一緒ではファシリテーターを務めているが、知的障害の人たちが多くわからないことが多い。世一緒では今までの人生がまるで違うから噛み合わない人同士が、違うのは当たり前、それが社会と考え、違う中で少しでも支え合おういう意味でのピアサポートを試みている。

◇職場参加の仕事発掘は働く者の仕事
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永野勝:越谷市職員組合委員長。委員長をしているのはほかの人に仕事をお願いするのが得意だから。障害者も一ヶ所に囲い込んでケアするのではなく、地域のどの職場にも参加できる仕事があるはず。社会に受け入れてもらったという自信を得られることが大事。それは仕事している我々が考えるべきこと。市役所だけでなく地域の他の職場にも広げてゆくためにも、市役所が仕事を発注するとき障害者の社会参加や環境、男女共同参画など率先して取り組んでいる会社を優遇する条例を作ってほしいと市長や議会にお願いしている。

◇地域・職場のつながりで仕事があった
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金沢雄三:ミノミ化学社長。オイルショックで父の経営していた工場が倒産し、自分が規模縮小して工場を興し30数年たつ。従業員10名弱。これまで障害者を雇用したことはないが、就学前の障害児通園施設の親子をライオンズクラブで毎年雪遊びに連れて行っている。就労支援センターの訪問を受け、長い時間はダメ、単純な仕事を体験させてほしいと言われ、従業員がみなやりたがらない単調な仕事があったのでやってもらったら実習後働いてもらうことになった。
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沖山:越谷市障害者就労支援センター所長。かって工場で働いていた人の息子さんが障害者でその団体のバザーに生産しているまな板を提供していただいたことや私自身が昔近所でアルバイトをしていて会社の名前を聞いたといった縁がありこの夏訪問させていただき秋に実習させていただいた。

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◇あなたにとってピアとは何ですか

飛田:障害者に限らず誰でも実践していること。

塚原:自分自身を鏡で見ている感じ。

鎌倉:子どもも含めて相手と向かい合うこと。

清水:指導・矯正になる危険もはらんでいる。

永野:得意・不得意を含め直接つながること。一緒に働き一緒に旅行したり。

金沢:何十年と同じ会社と付き合っている。復興支援に伴う仕事にも協力している。


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◇ピアサポートの強みと克服すべき問題とは

飛田:ピアは障害者に限らず同じ立場での共感を踏まえた問題解決。職場の中の不満は上司にメールするが返事が別の人に返ってくることがあり本人に返事してくださいと言っている。同じ立場の人を職場で探すのは難しい。

塚原:精神疾患をもった者同士が相談するとお互いに気分が沈んでしまうことがあり、感情移入しないようにしながら話を聞くようにしている。

鎌倉:同じ問題があるが長い目で見ればピアサポートは必要なので、落ち込むこともあるが仲間意識を持ってやってゆければよい。

清水:共感し過ぎも危険だが共感しないと話が進まない。本人が青と言ってるのに急に赤だと言っても受け入れは難しい。それでもいいんじゃない、肩の力を抜けばと言って悩みを語れるようにし少しでもサポートできることがあればという姿勢でやっている。

永野:女性の出産・育児というハンディを持ちそれを男性も支えながら一緒にやってゆく。障害者の場合お互い障害があることを認め合ってスタートするのは強み。役所などは就労はフルタイムという常識に凝り固まっているが、障害者の側からこんな形なら働けると意思表示して常識を崩し共感できる仲間を増やして仕組みを変えてゆくことができると思う。


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◇ピアサポートの展望、支援施策など

飛田: 職場の人たちが将来障害をもっても大丈夫と思えるように、雇用率にこだわらずたくさんの障害者を職場に入れたい。

塚原:精神障害者を特別扱いせず、他の障害者と一緒に土俵で共に働く職場にしてほしい。

鎌倉:外向けにはらるごの職場体験や世一緒の仕事発見ミッションのように街に出てゆく仕組みが増えていけばいい。内向きには仲間同士が一緒にいるだけでピアカウンセリングになるような場があることが大事。

清水:違う障害、育ってきた経験の違い、土台
が違う者同士のピアサポートができたら面白い。

永野:2時間しか働けない人がたくさん集まれば同じ仕事ができる。それをNPOがやるなら支援すべきだし、行政がやるべきなら仕組みを作っていく必要がある。

金沢:うちは24時間営業で12時間勤務が4人いるが仕上げは昼だけで女性の方が多い。仕上げ場の仕事はできると思う。

◇会場からの質問と意見

大野:ピアサポートで大切なことは同じ職場にいる人と人として向き合ってゆくことを共有し、違う部分をおろしてゆくことかと思う。自分の立場に固執せず相手に合わせることが自然にできているコツがあれば教えてほしい。

清水:相手の話を頑張って聴く。すると相手も歩み寄ってくれるしこちらも近寄って行ける。

永野:時間をかけて聴く態度が重要。そして相手の立場になって考えることが大事。

富樫:世一緒では障害を持っている人と持っていない人が一緒にやっている。ミノミ化学に見学に行きたい。

◇県、市のコメンテーターから
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藤岡廣明:埼玉県就業支援課主幹。ひとつは障害当事者同士が知り合うことができるネットワークづくりや事業主が異なる障害の人を雇う気持ちになれるような就労支援のネットワークを行政として誘導してゆく必要。
ふたつには支援体制は必要だが最終的には職場内でサポート体制ができることが大切。
みっつは身構えて雇用率ということではなく地域のつながりの中で障害者雇用を進めてゆくのがよいこと。
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高橋成人:越谷市障害福祉課課長。ピアサポートというとき当事者だけで集まって進めると身構えてしまうところがあるのでファシリテーターが重要。
同じ障害の者同士のピアサポートだけでなく異なる障害を持つもの同士のピアサポートも長い時間はかかるがよい方法。
働いている時だけでなく就活中、離職後にもピアサポートの機会を設け孤立感・不安感を緩和し社会と一緒に生きているんだという感覚を常に持てるようにすることが大切。

◇コーディネーターまとめ
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朝日雅也:異なる立場をこえてつながりあうことがさらに大事で、それは障害を持つ者同士だけでなく企業、支援者もそうだし、そういう立場をこえてつながりあうことが大事であり、ピアが狭い意味をこえて、街で働き・暮らすすべての人々が当事者として、ピアの枠組みを広げてゆくことが大切だと思う。
パネラー、コメンテーターの皆さんに感謝の拍手をお願いします。

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