共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 「おわりのはじまり」を考察する −月刊わらじを読んでみませんか

<<   作成日時 : 2011/12/18 23:31   >>

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「月刊わらじ」を読んでみませんか。筆者の関わるわらじの会の会報。この12月で400号を重ねた。障害者団体にありがちな活動報告・案内が中心の内輪な内容ではなく、同人誌というか、タウン誌というか。また、さまざまな障害者本人が、それぞれの持ち味を生かして原稿を寄せているのも特徴。ちなみに、12月号の執筆者は、障害のある人ない人が半々というぐあい。月刊わらじを読んだことがない人に、一部を紹介しよう。冒頭の写真は、青森県八戸在住の聴覚障害者・織田茉莉さんの原稿に挿入されていた写真。「八甲田のブナ林(妖精が出て来そうでしょ)」とキャプションがついている。織田さんの写真はすばらしい。3月の津波に襲われた街の写真もつぎつぎと送ってくれた。そんな織田さんの「終りの始まり〜」と題する原稿は、「障害者雇用」という名の迷宮に閉じ込められた自らの状況を、以下のように描いている。

 ビルの窓から見える風景は最晩秋の色合い濃く、こんな季節は一歩里山に踏み入ると落ち葉の香りが濃厚に漂う。遠くの山は白く化粧し、八甲田にはもう膝まで雪が積もっているという。里にも時折天からの手紙が届くようになった。また寒い冬の始まりだ。

 今年ももう終わり。しかし、また新たな年がやってくる。終わりは始まり。この連綿と続く生の営み。落ち葉はやがて腐葉土となり、土に還る。それを栄養として、新たな命が育つ・・・。
 この私も世の中の栄養となれるのだろうか?ならなくてはなるまい。この会社で、私が辞めるまでに、どれだけ障害者が勤めやすくなれるだろうか。私が今いるのは、後に続く者たちに道をつけるためだ。挫折し、苦しみもがき、酸素が足りなく水面下で口をあけているような毎日。しかし、後に続く者がいる限り、決してあきらめるわけにはいかない・・・。

 障害者に対する会社の方針がやりきれない。障害ばかり見られて、人間として評価してもらえない。どんなに頑張っても、障害があるというだけで、評価はない。頑張っても、頑張らなくても、給料は同じ。頑張る人は辞めていく。そりゃあ当然だろう。頑張る分馬鹿らしくなる。かくして、会社には甘えた障害者ばかりが残る・・・。
 しかし、地方では他に勤め先がなく、辞めるに辞められない・・・。苦しみは敏感な者の精神を蝕んでいく。鈍感な私は病気に逃げられない。逃げ場もないならば、これはもう性根据えてとことん現実に向き合うしかない。
 精神的な苦痛は、肉体的な苦痛よりもきつい場合がある。毎日、単にバケツの水を右から左に移す作業を続ける、意味の見出せない作業をさせられるようなものといえばわかるだろうか。

 目標もない。評価もない。頑張っても、頑張らなくても、何も変わらない。どんなに能力があってもそれを発揮できる仕事はなく、5時過ぎれば帰る時間だと注意され(これは障害者だけ言われる。非常に不愉快だ)、それでいながら会社はダイバーシティをうたう。これでも社会的な賞をとったのは、女性問題に光を当てたから。障害者問題は障害者雇用率を達成したのでOKとされ、社内の問題は見えないものとされてしまった。臭いものにはフタ。会社はきれいなところだけしか外に見せない。

 会社から渡された冊子には『障害者が仕事を通じた成長と自立を支援します』とあるが、余計なお世話である。なぜ障害者だけが成長と自立をわざわざ会社から言われなければならないのだろう?言うなら、全ての職員に等しく言って欲しい。障害を持っていない者も、まだ親から精神的に自立していない者がいるし、だれだって死ぬまで成長し続けるのが理想なはずだ。

 ここに『障害者は会社(もしくはその中の健常者)が保護しなければならない存在』『障害者は仕事ができない』という企業の障害者を見下した姿勢を感じる。本当のダイバーシティは、障害者も健常者も同等の立場でやり合える環境でなければならないのだが。

 思い出すのは、会社の地方の若い(といっても30代)男の子のことだ。
彼はこんな給料では結婚もできないと言っていた。生きていればまだまだ辛い日々が待っていただろう。でも、楽しいこともあったはず。生きていて欲しかった・・・。せめて、仕事が評価され、それが給与に反映されていれば!
彼は国立大卒だった。在学中に障害者になり、それだけでもショックを乗り越えるのは大変だったろう。そして、障害者になったために大学で学んだことは生かせなかった。責任のない仕事しか与えられず、見下され、どんなにかこの会社で未来が見えず、苦しかったろう。

 若い子に未来を見せられない社会はあってはならない。未来が見えないというのは辛い。
私たちには老後が恐怖だ。多分、老後は病院にもかかれず、補聴器も買えず、食べるだけの生活なんだろうなぁ。こんなに一生懸命働いているのに、働けど働けど楽にならざり、じっと手を見ても腹は減る。私はワーキングプアーだ。努力をしても実を結ばない社会ってどこかおかしいのではないか。
 ・・・そう思うのは誰でも思える。思うだけならば、多分サルでも出来るだろう。だが、そこから『では、どうするのか』が出てこないといけない。

不平は誰でも言えるが、展望を語れるようにならないといけない。
 かくして夜は更け、年は暮れる。終わりは始まり。 イケナイコトは断ち切り、新たなスタートラインを作らねば。エンドレスのRPGじゃいけないんだ。メビウスの輪をちょん切り、ちょっとばかし笑顔が増える始まりを作りたいなぁ!ね?!


 この織田さんの「終りの始まり」を新たなスタートラインへというところからバトンを受け継ぐのが、障害者雇用専門員の沖山稚子さんの原稿。題して、「シヂャギ パニダ」。

 シヂャギ パニダ 私が好きな朝鮮語の諺である。「始まりが半分だ(物事は始めさえすれば半分は成就したも同じだ)」という意味である。漢字で表すと「始作が半だ」となる。

日本の障害者雇用促進法を模して開始された韓国の障害者雇用の開始は遅い。しかし、雇用率の対象とされる障害者の障害種類は徐々に拡大されてきていて日本に比べ多岐にわたる。

 身体障害、視覚障害、聴覚障害、知的障害、精神障害に加えて、顔面障害、身長障害、皮膚障害、ガンの後遺症などまでが雇用率の対象となっている。 障害者権利条約も既に批准した。リーズナブル アコモデーションの訳語は「便宜供与」をあてている。

(着実さや顛末がどうであれ) このように、取り掛かれるところから果敢に始めてゆく姿勢に圧倒され、昔学んだ朝鮮語の諺〜シヂャギパニダ〜を思いだした。

 日本式の慎重な取り組み(終わりよければ全てよし)に好感をもちつつも、障害者の就業支援には「始めさえすれば半分終わったも同じ」という姿勢が必要な場合もあるのではないか。


 そうかと思えば、高機能自閉症の当事者ということで、自閉症協会主催のシンポジウムなどで報告をしたりしたこともある幡本建祐さん(越谷市)の連載「フラッシュバック研究 第56回」は、エンドレスな追体験を重ね、世界を再構成しつついまを生きる技についてのレポート集。

 昔わらじに来始めたばかりの頃、べしみに行くのに3時間ぐらい道に迷ってしまったことがありました。星名さんが様子を見に来てくれたりしました。いまとなってはなつかしい思い出です。
 
 僕は中3の頃、精神的に不安定になって、家族に迷惑をかけていました。中3の夏休みに僕は塾が苦痛でたまらなくなり、「やめる」と言いました。母もその頃精神的に不安定になっていて、静岡の実家に帰ってしまいました。あの頃は本当につらかったです。

 6年前にネットワーク合宿に参加した帰り、玄太郎さんに「教習所は面白かったですか?」と聞いたら、「あれは面白いところじゃないだろう。教官はいばるし。」と言っていました。

 8年前に辻君に「草なぎ剛「と同じ中学だったんだよね。」と聞いたら、「草なぎ君は、あんなにいい人じゃないと思う。」と言っていました。

 最近よく読んでいる本
 東野圭吾の分身という小説をよく読み返しています。そっくりな女の子が2人いて、実は2人はクローン人間だったという話です。面白いので是非読んでください。
 

 以上はほんの一端。月刊わらじ12月号はB5版33ページ。頒価200円+送料。ご希望の方は下記へメールを。
  →waraji@muf.biglobe.ne.jp
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障害者手帳がやっと届いたが驚く
厳しき大学時代を通し、建設業界で数多くの現場監督をしてきたが、逃げ出したくなる気持ちになった事が多かった。もし私の様な障害を抱えてる方は、障害者雇用での求職や障害年金への足がかりにもなり、自治体により様々だが、手当てが継続して支給されたり、公共機関が割引になるなどのメリットがあるのでお勧めする。申請方法は第一に、市区町村の担当課で必要書類一式をもらうからなので動いていただきたい。私の建設業界は不況だが障害者雇用促進法により希望する建設業界での職場も決まると思っている。 ...続きを見る
脳挫傷による見えない障害と闘いながら・・...
2011/12/22 15:53

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