共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS マンホールの底より声す10.17わらじ大バザー!

<<   作成日時 : 2010/10/04 23:55   >>

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「マンホールの底より声す秋の暮 楸邨」
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(以下は、月刊わらじ号外・10.17大バザー案内号のための原稿)       
 炎暑の日々が終わり、一挙に秋が押し寄せてきた感じですね。つきぬけるような青く高い空。かと思えば、冷たい雨の日々。澄み渡った空気を渡ってくる声と地や水の底から重くとどろく声。そんな不順で不思議な季節。どなたもお体ご自愛下さい。そして、物品提供をはじめ、バザー準備へのご協力ありがとうございました。心からの感謝を込めて、わらじの会大バザー案内号をお送りします。 

 わらじの会は、障害のある人もない人も共に街に出て生きようと、33年間活動してきました。障害のある人たちが自ら街へ出て、共に学び・働き・暮らす事業所、施設、システムを切り拓いてきました。同時に、そうした自立生活・共働を支える活動を仕事が社会的に認められ、職業として公的に保障されるようにする取り組みもしてきました。

 でも、もっと大事なことが、不十分なまま残されています。それは、障害者の日常生活やその支援にかかわりのない大多数の人々が、それぞれの家庭、ご近所、学校、職場で、様々な障害のある人々と出会い、すれちがったり、ぶつかったりしながら、一緒に生きて見る機会の大切さです。 毎年一回の大バザーは、そうした出会いの機会をめざして開催されます。

 9月から10月の初めにかけて、県東部地区のさまざまな地域で、バザー品の受付日を決め、会のメンバーが集会所や個人宅前で待機し、じかに手から手へ、おしゃべりを交わしながら、バザー品をいただいてきました。10月17日(日)春日部市役所裏の公園での本番は、そうした出会いの集大成です。

 ほら!聞えるでしょ、マンホールの底から。「第32回・わらじの会大バザーをよろしく!」

「死ねば野分生きてゐしかば争へり 楸邨」
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 この春日部市役所裏でバザーを行うのは、2005年以来です。5年前の写真を眺めてみたら、その中の3人が、世を去っていました。

 その一人、橋爪静佳さんは、この会場からそう遠くない市内で生まれ育ち、障害が重いからと幼いころから分けられた施設・学校で育ってきました。

 養護学校を卒業した後、わらじの会の日常活動に参加した彼女は、水を得た魚のように本領を発揮して活躍。彼女を無視しておしゃべりをしている時などは、机の上や手提げの中の物を放り投げて、私のことを私抜きに決めるなとアピール。歩く時ふらつくのをカバーするため、自力走行できない車イスメンバーを押して、二人で冒険の旅へ。慌てふためく人々を眺めて、ほんとにうれしそう。

 その静佳さんががんの末期であることが判明し、1週間の入院後、自宅でお母さんがケアすることになり、しかし痛みがひどくなり、痙攣も起きて、お母さん一人では無理になって、もともと暮らしてきたわらじの会の生活ホームで、みんなに囲まれて最後の日々を過ごしました。

 その最後の生きざまは、やはり常識を裏切りました。息が細くなりお別れと思うと、また復活。ふだんてんかん発作をくりかえしてきたことが、低酸素状態を生き抜く高地トレーニングになっていたのでしょうか?大量にたまっていた腹水も、すべて栄養として吸収してしまったようです。してやったりと、あの世で笑っていることでしょう。

 しゃべれないこと、歩けないこと、そして発作や腹水までも…それらをマイナスとみなす常識と争い、それらを逆手にとって最後まで魅力的に生きた静佳さん。

 彼女が去った街を野分が通り抜けてゆきます。
 
「秋草に疲れきし鵜の身を寄せぬ  楸邨」 
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一年に一度、このわらじ大バザーの時だけ、会える人がいます。その日暮らしで追われていて、でも、秋草が揺れる頃になると、ああそうだと思い出すのでしょう。

 10年ぶりで、このわらじ大バザーの会場で出会えた人がいます。ずっとひきこもっていたのです。秋草が、そっとささやいたのでしょうか。

 もっともっと…30年もたった昔、自分が子どもだったころの記憶をたどって、このわらじ大バザーに来た人もいます。埋め立てた土にまじってきたのか、いまはもう見られなくなった秋草が、ひっそり道端に小さな花を開くように。

 そして、おそらく初めてお会いする方々が、いちばん多いのでしょう。そんな中で、買物をするだけでなく、ゆっくりと会場で時間を過ごしている人、そして話しかけてきてくれる人が、必ずいます。秋草の穂が光る川辺を歩くように、視線を遠くに放って、時には足元をみつめつつ、わらじ大バザー会場を歩いてみてください。

 わらじ大バザー会場には、たくさんの物と同じくらい、たくさんの人がお待ちしています。生まれてから死ぬまでを、人と人が争ったり、支え合ったりしながら、一緒に生きる世界の問題として考え、試みてきた、そんな数々の体験が、会場に集まっています。ただひとつの個体の生成・消滅としてしまうのではなくて…。どうぞ、お声をかけて下さい。
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今年のバザーは子どもを連れて。

 
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疲れきし鵜、あなたも、私も。秋草に身を寄せて、羽をたたんで一息。

楸邨…加藤楸邨(1905〜1993)。人間探求派と呼ばれる俳人。旧制粕壁中学校(現春日部高校)の教員(1929〜1937)となり、作句を開始。後年もよく春日部に立ち寄り、古利根川などの風景の中でたくさんの句を作った。

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春日部市役所の上から見おろしたバザー会場風景(2005年)。歴代のバザー会場のうちでも最もひろいほうに入る。今年、またここで開催する。

 わらじ大バザー史T―ゆく人 くる人 そして… バザーはめぐる と題したフォトアルバムをネット上にアップしました!
(10月7日より30日間のみ)
 こちら→http://www.digibook.net/d/3154c5d7a05cb90cfdc07fb47658245d/?viewerMode=fullWindow&isAlreadyLimitAlert=true

つづいてアップ!
わらじ大バザー史U―あの会場に君がいた…いまあなたは
(10月8日より30日間のみ)こちら→http://www.digibook.net/d/b05589b3b099bb4979a3fd22fe50250f/?viewerMode=fullWindow&isAlreadyLimitAlert=true

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