共に学び・働く―「障害」というしがらみを編み直す

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zoom RSS 立教大学「ノーマライゼーション論」の講義に「一座」で登場

<<   作成日時 : 2010/07/08 23:03   >>

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30日(水)、立教大学新座キャンパスに、またボランティア学会のときのように「一座」を組んで出かけた。顔ぶれは半分くらい変わっているが。河東田博さんの「ノーマライゼーション論」の時間。学生が数百名の階段教室。

 河東田さんといえば、かってアドルフ・ラツカさんらスウェーデンにおける自立生活運動を日本に紹介し、その後も北欧をはじめヨーロッパの施設解体の取り組みと、その後の知的障害の当事者たちの組織活動などを紹介してきた人として、知られている。→http://www.arsvi.com/w/kh03.htm
 その河東田さんが「地域と障害―しがらみを編みなおす」に関心を抱いて下さった。この本では、スウェーデンのノーマライゼーションは「分けられたところから、その反省を踏まえて一緒に」だと指摘し、「分けない」取り組みの大切さを述べているが、そのあたりにも興味をもたれているようだ。

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 河東田さんの注文に沿って、スウェーデンから学んだことと、スウェーデンで感じた違和感、そのノーマライゼーションと埼玉での「あたりまえに一緒に」という取り組みのちがいなどを、やや詳しく伝えた。世一緒のメンバーが多かったので、仕事発見ミッションの寸劇などもまじえた。さらに、河東田さんのリクエストで、「克己絵日記」→http://www.sensyobo.co.jp/sen2-ki.html#克己絵日記 をOHPで映しながら、橋本画伯とぼくの珍妙トークも披露した。

 学生たちからの肉声は聞けなかったが、リアクション・ペーパーを一部見せてもらったところ、けっこうたくさん書いてあった。

河東田さんが、最後にぼくに質問を投げた。「山下さんは日本がすべていいとも考えてないんですよね。」と。それに対して、ぼくは「しがらみを断つのでなく、編みなおす」についてふれつつ答えたが、自分で満足できず、その後も考え続けている。


 日本にいて、とくに埼玉にいて、そして恩間新田の農家の奥の部屋の人々と出会えてよかったと思えること――それは「遅れ」との出会い。
近代化(進み)は、しがらみから人を解き放ち、個人にするたえざる運動だ。人はたえずしがらみを断って個人として自立し、自立した個人同士がさまざまな関係を取り結んで社会を築く。関係は、無数の点と点を結んで形づくられていると発想する。

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「遅れ」と出会う前のぼくは、そういう社会運動の中に浸っていたが、孤立し、居場所を求めて埼玉に来た。経緯はさまざまだが、やはり全国各地からしがらみを断って、東京へ夢をつなぎ、しかし東京は砂漠と感じ、子どもたちに第2の故郷をと願って、埼玉の、現実には灰色の巣箱といわれる団地に集まってきた人々がいた。そんなぼくらだからこそ、「遅れ」と出会えたと思う。(上の写真は、越谷市三野宮橋の残照)

東京という「進み」の見本を身近に知っていたからこそ、「遅れ」が鮮明に感じられ、「進む道」を探った。だが、しだいしだいに「遅れ」の奥に「奥行き」が感じられるようになる。それは、「遅れ」を生きる人々の生きざまと出会うことによってだ。しがらみは必ずしも、断つべきものでないとわかる。一緒にいることで、ぼくらの生きざまも照らし返される。関係の全体が、しがらみ状の構造になっており、それをみんながたえず編みなおしているのだと感じ取る。
 けっきょくは、スウェーデンがいいとか、日本がいいとかいった問題ではなくなってくる。







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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
いやまあいつも会ってて言うのもなんですが
ここのところのこのブログの筆致といいますか、脂のノリはすごいっすねー。
またここに来て観察者という目線を越えて「山下」という個人が出てきている
のがなんちゅうかエポック的と感じます
書籍ーしがらみを編みなおすーの増補版出さなきゃいけない勢いですね(笑
51
2010/07/09 13:09

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